特集 ここが変わった! 関節リウマチの治療
リウマチ患者さんの「困った!」「大丈夫?」に対処する④ 薬は減らせないの? 患者さんの経済負担を考慮して処方変更を処方医に相談する
越智 小枝
1
1東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座
pp.411-413
発行日 2023年3月5日
Published Date 2023/3/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023030017
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免疫抑制薬や分子標的薬の開発により,関節リウマチ(RA)患者の生命・機能予後は劇的に改善した.生活活動度が高く長期に治療を受けるRA患者が増加した結果,RA診療は単に疾患を治療するものでなく,さまざまな身体的,精神的,経済的,社会的側面に配慮したケアを要するものへと変化している.特に高額な分子標的薬の開発により治療コストが急騰した現在,女性や退職後年齢の多いRA患者にとって経済負担の軽減は無視できない課題となっている.
もちろんRAの治療中断は,生産性の低下や機能予後の悪化,手術や入院回数の増加により治療コストを上回る間接的な経済損失を生みうる1).また,有効な治療は患者の満足度を上げ2),かつ間接的コストも減らすため3),一見して高額な薬であっても高い経済性が得られる場合が多く,疾患活動性と有効性に応じた適切な減薬を行う必要がある4).これについては他稿(p.67,p.72)を参照いただきたい.
本稿ではこれに加え,RA患者の経済負担を考慮したその他の処方の工夫について述べる.
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