特集 肝障害時の薬物療法 肝機能を考慮したマネジメントの基礎と実践
肝障害を合併する患者の薬物療法マネジメント 疼痛×肝障害
内藤 隆文
1
1浜松医科大学医学部附属病院 薬剤部
キーワード:
Acetaminophen
,
化学物質誘発肝障害
,
肝性脳症
,
肝臓疾患
,
薬物代謝的不活性化
,
出血
,
鎮痛剤
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
オピオイド系鎮痛剤
,
投薬計画
,
癌性疼痛
,
服薬管理
Keyword:
Drug Administration Schedule
,
Hemorrhage
,
Liver Diseases
,
Hepatic Encephalopathy
,
Cancer Pain
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Inactivation, Metabolic
,
Acetaminophen
,
Analgesics
,
Analgesics, Opioid
,
Chemical and Drug Induced Liver Injury
,
Medication Therapy Management
pp.3673-3677
発行日 2020年12月5日
Published Date 2020/12/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2021085892
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<Key Points>◎肝障害を合併する患者では、疼痛治療薬の有効性や安全性を確保するためのエビデンスは不足している。◎肝機能の低下した患者へのアセトアミノフェンの投与は、添付文書に記載された投与量や注意を守っていれば、肝毒性の観点からほとんど問題ない。◎非ステロイド性抗炎症薬のほとんどが肝臓で代謝を受けるため、肝機能の低下した患者への投与は生命を脅かすような有害作用を生じるリスクがある。◎オピオイド系鎮痛薬のほとんどが肝臓で代謝を受けるため、肝機能低下の程度に応じて、患者ごと投与量や投与間隔を調節する。◎トラマドールやコデインでは活性代謝物が鎮痛効果を担うため、肝機能の低下した患者への使用は推奨されない。
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