特集 ここが変わった! 関節リウマチの治療
リウマチ患者さんの「困った!」「大丈夫?」に対処する⑫ 禁煙はすべき?喫煙はなぜよくない?
井畑 淳
1
1横浜医療センター 膠原病・リウマチ内科
pp.441-443
発行日 2023年3月5日
Published Date 2023/3/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023030026
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外来で患者からしばしば聞かれる質問の一つが,「日常生活で気をつけた方がよいことってありますか?」であり,飲酒についての質問もよくある.しかし,喫煙を継続してよいかどうかについて患者が聞いてくることはほとんどない.この違いはどこから生まれるのだろうか?
思うに,患者たちは喫煙の悪影響をわかっていながら,その習慣性・依存性の強さからやめる気になれず,喫煙によるリスクを無視しているのかもしれない.そうでなければ,喫煙自体のリスクを軽くみている,もしくはリスク自体を十分に知らないのかもしれない.われわれ医療従事者が,関節リウマチ(RA)患者における喫煙のリスク,禁煙のメリットについて十分な知識を得ることは,患者への適切な情報提供につながり,結果として患者自身の意思による選択を可能にする.禁煙継続には本人の意思が最も重要であり,RA患者が禁煙に成功する最もよいタイミングは治療開始時といわれている1).また,禁煙できるかどうかには患者の診療に携わる医療者のサポートが大きな影響を及ぼすという報告もあるため,われわれが喫煙のリスク,禁煙の及ぼす効果について知っておくことはとても重要であると考える1).
本稿では,喫煙がどの程度RAやその治療に影響を及ぼすのか,いくつかの部分に分けて語ってみたい.
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