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編集後記
山本 伸一
pp.948
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203921
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2024年度は,診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定であった.医療従事者の賃上げに関しては,「外来・在宅ベースアップ評価料」,「入院ベースアップ評価料」,「訪問看護ベースアップ評価料」(賃金改善計画書と報告書義務),初・再診料等や入院基本料等,職員の賃上げ実施のための診療報酬改定.そして,処遇改善加算の一本化や介護職員等処遇改善加算に踏み込んだ介護報酬改定(障害福祉も含む)であった.これまで職種別報酬制度の点数に対する要望という考え方から「財源」をターゲットにした交渉を行ってきたことは,今後につながると感じる.日本作業療法士協会としては,継続した要望活動を続けなくてはならない.
一方,作業療法の専門性が問われる年になった.診療報酬では,「疾患別リハビリテーション料の実施者別区分」の創設が行われた.たとえば,「脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)」は,「イ 理学療法士による場合」245点,「ロ 作業療法士による場合」245点,「ハ 言語聴覚士による場合」245点等,NDB・DPCデータにより,疾患別リハビリテーションにおける職種別ごとの訓練実態を把握可能となる評価体系になった.これまでは,すべての職種が同じ報酬であったが,今後はそうはいかない.成果が「ある・なし」等により,その差別化も懸念される.作業療法は,対象者にとって絶対に必要なセラピーである.それは間違いない.対象者のためになる作業療法をしよう.目の前の成果がある作業療法をやろう.それが結果的に,「報酬」になる,「賃金」になる.本来.仕事をすることとは,そいうことだ.
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