編集後記

　本誌2023年増刊号のテーマは，「急性期における疾患別作業療法」．さて，急性期はいつまでを指すのか？ 私がOTになりたてのころ，ある医学会の学術大会に参加した際，「急性期は1カ月だ」，「いやいや3カ月だ」と医師たちがさまざまな意見を唱えていた．「急性期って曖昧なイメージ」という意識しかもてず，療養型の温泉病院に勤めていた私は，自身の対象患者にあまり影響のない話としか捉えていなかったのを思い出す．

　2000年に回復期リハビリテーション病棟が創設され，その後，当該病棟への入棟は，急性期病院から60日以内と義務づけられたことから，われわれの業界では「2カ月」が急性期のタイムリミットというイメージとなる．しかし一般的に本来の急性期とは，病気になって間もない時期，病状が安定せず集中的な医療を要する時期のことであることはいうまでもない．