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編集後記
山本 伸一
pp.90
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203668
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2024年の春は,診療報酬・介護報酬・障害福祉サービスのトリプル改定である.各種制度は,私たち療法士の命綱でもあることは言うまでもない.昨今,リハビリテーション3療法士の数は右肩上がりである.現在は,合わせて約35万人.私が就職した30年以上前では想像もつかなかった数字である.各制度の年間総予算は,2023年度(令和5年度)でおおよそ診療報酬48兆円,介護報酬14兆円,障害福祉2兆円.当然ながら,3療法士の報酬の占める割合は大きい.しかし,これらのことが給与賃金の抑制になっていることも現実である.
本号特集はOJTである.人材育成は療法士にとって責務であり,受け継がなければならないことだと思う.しかし,この3年以上の間,コロナ禍によって日本全体のさまざまな職種の育成が滞っているように感じるのは私だけであろうか.もちろん,作業療法士に関してもそうである.私が常勤で勤めてきたリハビリテーション病院においても,同様だと感じざるを得ない.しかし,クラスター等の幾多の困難を病院職員全体で乗り越えてきたのだから,責めることはできない.2023年5月,COVID-19は5類感染症となり,要請は緩和され,普段の生活が戻りつつある今,まさにこの人材育成をあらためて考えるべきときである.この期間に失われたこと,一方では学んできたこと.知恵を結集し,現場の技術習得を新たに見直す機会であろう.
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