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編集後記
山本 伸一
pp.874
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201021
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30年前,私はOTとなって臨床現場に立った.意気揚々とし,希望に満ち溢れた自分がいたが,あっという間に奈落の底に突き落とされた.なぜなら,患者の希望に応えられないからだ.「肩の痛みをとってほしい」,「重たい手を何とかしてください」これらへの介入を養成校で習ったわけでもない.健側で手芸をさせてしまっていることへの申し訳なさや,対応できないことへのいら立ちがあった.現在のように情報を得る手段としてのインターネットや,さまざまな書籍は存在しておらず,途方に暮れたのを覚えている.
本増刊号は「上肢機能」の特集である.OTならではのテーマであろう.なぜなら,生活に密着することが求められる作業療法.生活は作業.作業するには「手」が主である.それを診ることができなくては話にならない.
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