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編集後記
山本 伸一
pp.1218
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202720
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回復期リハビリテーション病棟は2000年(平成12年)に誕生.その後,私たちの業界は激変の連続であった.たとえば,2002年(平成14年)「個別療法」や,2006年(平成16年)「疾患別リハビリテーション料」の新設.リハ従事者1人につき1日18単位・週108単位の上限が設定され,算定上限日数超え対象者への月13単位の設定,さらには「集団」廃止である.怒涛の中,回復期リハビリテーション病棟は,それらの状況でも回復期としての機能を果たしてきた.2008年(平成20年),質の評価として「在宅復帰率」や「重症患者割合」基準,2018年(平成30年)「アウトカムの評価(実績指数の導入)」と常に新しい取り組みがされてきた.機能分化されたリハにおいて,急性期と生活期の橋渡し的存在であり,重要な立ち位置であったことは歪められない事実である.
本号の特集テーマは,「回復期リハビリテーションはこれでいいのか?」である.上述したように,発展を遂げてきた回復期リハビリテーション病棟であるが,ここで現場を俯瞰してみたい.実績指数に追われていないだろうか,介入場面はADLばかりに目を向けていないだろうか.リハは,“生活の再建”.対象者の生活スタイルは,個別に応じて多岐にわたる.目標はさまざまだ.身体機能から精神機能,身の回りから外出,就学から就労,個人から集団,環境,生きがいへ.回復期だからこそ,それらを見据えた「今」がある.今回の特集の論文は,それを考えさせられる.回復期だからこそできること,OTだからできること.回復期リハビリテーション病棟が誕生して20年.これからの20年も作業療法で対象者が輝いてほしい.
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