教育技術ゼミ
教育評価(2)—評価できること・できないこと
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.42-43
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908922
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前号では,教育評価とは学生に成績をつけて分類したり,順位づけをしたりすることではないということを述べた。教育評価は教育の評価であり,教師の学生に対する働きかけが,目標に照らして効果があったかなかったかを明らかにすることであった。
この号では,前号で書き残したこと,つまり「明朗性をどのように評価したらよいか」という質問について考える。この質問は実際に臨床指導を行なっている読者の一人から寄せられたものであるが,教育評価を考えるうえで興味がある。この質問はもともと「臨床指導の評価には明朗性という項目があるが,これをどう評価したらよいか」という形であった。ここには,教育評価を考えるうえで二つの問題が含まれている。第1の問題は,「臨床指導の評価項目として,明朗性がある」ということについてである。第2は,いうまでもなく「明朗性をどう評価したらよいか」という問題であり,質問者の質問の重点は,おそらくこの第2の点にあると考えられる。
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