The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 12, Issue 10
(October 1978)
Japanese
English
講座
教育学シリーズⅥ 教育評価(2)
Evaluation of Teaching (Part Ⅱ)
沼野 一男
1
Ichio NUMANO
1
1玉川大学文学部
1Tamagawa University.
pp.715-718
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101778
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到達度と達成度
教育評価という場合,一般には学生の評価が問題にされることが多い.学生についてどのような特性を測定するのか.正確で客観的な測定を行うにはどのような方法があるか.また測定の結果得られた学生についての評価情報を他に送り出すためには,それをどういう基準で変換しなければならないか.これらは学生の評価について問題になることであり,教育評価を行ううえでは,確かに重要なことである.しかし,前回にも述べたように,教育評価で評価されるのは学生だけではない.教師の教授活動をどう評価するのかということも,教育評価としては重要な問題である.特に教育評価を通じて教授活動を改善していくためには,学生の評価ではなく,教授活動そのものの評価は不可欠である.
しかし教授活動の評価といっても,学生の評価と切り離して行えるわけではない.教授活動において教師は学生を特定の教授目標に到達させることを目標としている.そして教授活動の評価は,この教師の目標がどの程度に達成されたかという視点から行われるものである.従って教授活動は,学生が教授目標にどの程度に到達したかに基づいて評価されなければならない.教授活動の評価のためにもまず学生から情報が収集されなければならないのである.その場合学生から収集される情報は,到達度評価情報でなければならないことはいうまでもない.
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