看護教育の方法と課題 教育現場での悩みを解決するために・11
教育評価の問題
沼野 一男
1
1玉川大学
pp.323-328
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908997
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情報活動としての評価モデル
教育評価について書くためには,まず評価の機能や目的を明らかにしておかなければならない.これについては,私は“看護教育評価—その目的と方法”(医学書院,1975)のなかで,‘情報活動としての評価モデル’という考え方を提唱している.この連載では以前に書いた本との重複をできるだけ避けたいと思っているのだが,本稿の主要部分を理解していただくためには,‘情報活動としての評価モデル’について簡単に説明しておくことが必要であろう.
教育評価に限らず,一般に何かを評価するということは,対象から情報を収集してそれを評価者以外のだれかに送り出すということである,その場合,収集された情報はそのまま送り出されるのではなく,評価者によって変換される.教育評価について言えば,評価者は学生からテストや行動の観察などの測定方法を用いて情報を収集する.また,その情報はA,B,Cという評点や,‘責任感が強い’‘患者のニードを把握している’というような短い評語に変換されて,受け手に送り出される(図1).
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