小児科 65巻12号 (2024年11月発行)

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特集　乳幼児健診でよくある疑問・相談への対応

序文 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1199-1199

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乳幼児健診は小児科医の重要な役目のひとつですが，系統立てて大学で教わった記憶がありません．卒業後も教えられた記憶がありません．教えられたのはせいぜい，身長，体重，頭囲の増加，哺乳量などについてでしょうか．疾患ではないだけに，学生時代はあまり興味を抱かなかった記憶があります．小児科学の教科書にもページ数を割いての記述はありませんでした．学問ではないと考えられてきたのか，またはあまりにも実際的で，アカデミックではないと考えられてきたのでしょうか．しかし小児科の実臨床では，乳幼児健診は大きなウエイトを占めています．

食事・栄養

１　母乳・人工乳・フォローアップミルク -「母乳は足りているか」「ミルクの量・人工乳の補足量はどのように決めるか」など佐藤　千穂 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1205-1211

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ここがポイント

☑授乳に関する質問には，共感しながら傾聴し，その後，医学的な根拠に基づいて適切にアセスメントし，支援を継続する

☑児の哺乳ニーズに応えて授乳することが望ましい

☑授乳中であっても，多くの薬剤は服薬可能であり，注意すべき点などの情報を提供できるようにする

☑フォローアップミルクは医学的には不要である

☑母親には自信をもって育児が行えるような支援が大切である

☑母親だけでなく，母親を取り巻く他の養育者・協力者に対しても授乳についての支援を行う

２　離乳食・補完食 -「母乳は飲むが離乳食は食べない」「離乳食をよく食べミルクはあまり飲まない」など堤　ちはる 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1213-1215

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ここがポイント

☑離乳期には，「授乳のリズムに沿って」母乳は子どもの欲するままに与える．

☑人工栄養児の育児用ミルクは，将来の肥満にもつながりかねない「飲ませたいだけ飲ませる」ことは慎まなければならない．

☑7，8か月頃に離乳食をよく食べ，育児用ミルクはあまり飲まない場合，離乳食が炭水化物に偏りすぎていないか確認し，たんぱく質やビタミン・ミネラルを含む食品が少ない場合には，育児用ミルクを料理の素材として使用して，それらの栄養素を補給することも勧められる．

☑離乳食の量の適否は，成長曲線のカーブに沿って身長や体重が増加しているかどうかで判断する．

３　幼児期の食事 -「野菜を食べない」「食べるのに時間がかかる」など瀬尾　智子 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1216-1218

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ここがポイント

☑出生体重，在胎週数，親の体格などを考慮し，子どもの成長・発達のアセスメントを行う．

☑養育者が子どもの食事について何を心配しているかを聞き出す．子どもの気持ちに応答して食べさせることと，発達段階に合ったアプローチを提案する．

☑よほどの偏食でなければ，成長に影響することはない．鉄やビタミンD不足などが疑われる場合は，必要に応じて検査や処方を行う．

☑実際に家庭でどのような食事をしているかという情報を収集し，その家庭で実践可能な方法について，養育者と話し合う．

☑成長・発達について，定期的なフォローアップを行う．

４　母乳・ミルク・食事とアレルギー -「授乳中の母親の食物除去」「摂取を早める（遅らせる）ことでアレルギーを予防できるか」など小池　由美 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1219-1224

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ここがポイント

☑乳アレルギーの発症予防において，普通ミルクの摂取を早期に開始しても，摂取を中止するとむしろ発症のリスクを増大させる可能性がある．いったん摂取を開始したら，少量ずつでも継続したほうがよい．

☑すべての乳児のアトピー性皮膚炎に食物が関与しているわけではない．湿疹に対してはまずスキンケアと軟膏での治療を指導し，皮膚状態の改善を図る．不要な食物除去は患児および家族にとって大きな負担となる．

☑食物アレルギーの予防のために離乳食の開始を遅らせることは推奨されない．

☑卵黄が原因の消化管アレルギーが増加している．症状が出現した場合は，半年～1年空けて負荷試験を施行することで寛解を確認できる可能性がある．

発育・発達

５　身長 -「身長が低いのでなんとかしたい」「何を食べれば背が高くなるか」など伊藤　善也 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1225-1229

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ここがポイント

☑身長に関する相談では身体発育曲線（成長曲線）を用いる．

☑成長率の低下・増加は，器質的疾患を含む病態の存在を示唆するため，慎重に受診の要否を判断する．

☑精査を要しないと判断した相談内容であっても，身体計測値を身体発育曲線にプロットして，成長を見守ることを保護者に指導する．

☑成長を見守ることは，乳幼児期に限らず，健康的な成人期を迎えるために不可欠である．

６　肥満・やせ -「太りすぎではないか」「やせすぎではないか」など宮崎　あゆみ 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1231-1236

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ここがポイント

☑乳幼児の肥満・やせは，乳幼児身体発育曲線や幼児の身長体重曲線などを用いて評価する．

☑幼児期のBMI変化において，減少から増加に転じるadiposity rebound（AR）の早期出現が以降の肥満と関連する．

☑幼児期やそれ以降の肥満には，遺伝的要因に加え乳幼児期からの生活習慣が関連するため，早期からの保護者への介入が必要かつ有効である．

☑乳幼児やせの場合，基礎疾患や種々の要因による栄養不足などに留意したうえで，適切なアドバイスを行う必要がある．

☑乳幼児肥満・やせには継続的対応が必要であるため，かかりつけ医や行政などに適切につなげることも健診医の役割の1つである．

７　言語の問題――言葉の遅れ -「言葉が遅い」「言葉の発達を促す方法を知りたい」など汐田　まどか 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1237-1241

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ここがポイント

☑まず聴力障害や基礎疾患に関してチェックする．

☑知的発達症，自閉スペクトラム症，注意欠如多動症，発達性言語症（表出性言語障害）の可能性がある場合，今できるかかわりについて助言したうえで専門施設へ紹介する．ただし保護者が受診を希望しない場合，むりに勧めるのではなく，地域のフォローアップ健診や集団・親子遊び教室，児童発達支援を活用する．

☑虐待・ネグレクトの疑いがあれば，要保護対策児童協議会のネットワークにつなげる．

☑子どものとのかかわりでは，言葉だけでなく，生活リズム，子どもの好きな遊びでやりとりを強める，子どもからの働きかけへの対応など，発達全体やコミュニケーションを育てることが大切である．

８　構音の問題――発音がおかしい -「『さしすせそ』が上手に言えない」「発音の言い直しはさせたほうがよいか」など前田　秀作 , 野口　理衣 , 千田　いづみ 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1242-1247

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ここがポイント

☑小児では，年齢や発達の段階に応じて一定の順序で構音を獲得することから，構音障害は正常な構音の獲得時期を念頭において評価する．

☑小児の構音障害を検出した際には，まず聞こえや発声発語器官を確認し，異常があれば早期に医療機関へ紹介する．

☑3歳児健診では構音障害を疑う児を検出し，4歳6か月頃に保健師が確認し，改善が乏しい場合には就学までの獲得を目標に言語訓練を行うことを勧奨する．

☑言語獲得時期の構音障害は，適切な評価や構音訓練により正常構音を獲得させることができるため，言語聴覚士のいる専門機関への紹介が望ましい．

９　コミュニケーションの問題 -「会話が成り立ちにくい」「同世代の子と遊べない」など新美　妙美 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1248-1252

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ここがポイント

☑まず発達障害の可能性は考えるが，それ以外の要因がないかも確認する．

☑家庭内，家族でのコミュニケーションの違和感があるか，それ以外の気になる行動特性もあるのか，保育園等集団生活での課題を指摘されているかについて聞き取っていく．

☑保護者の認識やニーズを見極めて，地域の支援体制につなげていく．

☑保育園等と連携して情報収集していく．

☑未就園の場合は，就園時の支援につながるように，長期的にフォローしていく．

10　大声・かんしゃく -「よく大声を出す」「思いどおりにならないとかんしゃくを起こす」など田中　徹哉 , 渡部　京太 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1253-1255

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ここがポイント

☑神経発達症が疑われる場合，ASD，ADHDの症状があるか，発達の遅れはないか，保護者，保育園でどれくらい困っているのかと養育状況を聞き取り，地域の療育状況に合わせた療育施設，医療機関を紹介する．

☑乳幼児期に甘え，怒りの激しい気持ちを出させていくことが，安定した思春期につながる．

☑感情を言葉で言語化することは大事であるが，行動化（暴れる，暴力）は保護者が身体を張って止めなければならない．

育児・生活

11　睡眠・生活リズム -「夜なかなか寝ない」「夜泣きする」「うつ伏せ寝をさせてはいけないのか」など加藤　久美 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1256-1261

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ここがポイント

☑乳幼児の睡眠不足は小児の成長・発達に影響を及ぼす．

☑睡眠時間（昼寝も含め）は個人差が大きい．

☑早寝・早起き，寝かしつけの習慣を早くからつくることが大切．

☑良い眠りのためには，昼間に光を浴びて活動することが重要．

☑1歳までは仰向けで寝かしつける．

12　デジタルメディア・インターネット・ゲーム -「何に気をつけて使わせればよいか」など吉川　徹 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1262-1265

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ここがポイント

☑子どものデジタルメディア・インターネット・ゲームの使い方は，養育者のライフスタイルと切り離せない課題である．

☑幼児期は，メディア・インターネット・ゲームとの付き合い方を大人が教えることができる最大の機会である．

☑養育者がこの課題に使うことができる時間，気力，体力，知識の範囲のなかで，「教える機会」を最大化することを目指す．

☑最も教えたいのは，「大人が手伝ってくれれば，ゲームに負けたり，動画をおしまいにしたりすることも，それほど辛くない」ということである．

☑メディア・インターネット・ゲームをうまく使うことで，養育者が使える時間，気力，体力の余裕を確保することも考える．

13　保護者・きょうだいとの関係 -「上の子が赤ちゃん返りをする」「きょうだいゲンカが多い」「保護者（父親など）になつかない」など須藤　章 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1266-1269

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ここがポイント

☑上の子が赤ちゃん返りをした場合，本人の寂しく思っている気持ちを理解し，甘えさせる時間を作り，何かしら頑張っていることを褒めることで，兄や姉の自覚が徐々に出てきて，赤ちゃん返りをしなくてすむようになるであろう．

☑きょうだいケンカは社会性の発達のためのいい機会であり，すぐに介入する必要はない．ヒートアップした場合は，互いを引き離して，それぞれの言い分を聞いて共感し，それぞれの気持ちの代弁が効果的であろう．

☑子どもが保護者（父親など）になつかない場合，子どもの気持ちに寄り添ってやさしい声かけをし，行動実況中継賞賛法を実践したり，子どもが信頼できる大人の仲介を通して，心理的距離感を徐々に近づけるのがよいであろう．

14　暴力的な行動（噛みつく・叩く） -「大人を噛む」「けんかで相手を叩く」など阪下　和美 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1271-1273

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ここがポイント

☑保護者・周囲の大人が行動のお手本となる．

☑ルールを決め保護者・周囲の大人が一貫性のある対応をする．

☑望ましい行動をしてくれた時に褒める・感謝を伝える．

☑大人が感情的にならない．

☑大人が暴力行為をしない．

頭・筋骨格

15　向き癖・頭の形 -「向き癖が強い」「頭の形がおかしい」など彦坂　信 , 金子　剛 , 高松　亜子 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1274-1279

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ここがポイント

☑向き癖を認める場合，先天性股関節脱臼，斜頸や斜視などを鑑別する．抱っこや授乳の向きを左右均等にするなどの日常生活の注意や，tummy timeにより，向き癖の緩和や，頭蓋変形の予防と早期治療が可能である．

☑頭蓋変形を認める場合，頭蓋縫合早期癒合症などを鑑別する．変形性斜頭症・短頭症に特徴的な変形をまとめたArgenta分類や，頭蓋縫合早期癒合症に特徴的な変形を参考に評価する．

☑変形性斜頭症・短頭症は，基本的には整容的な問題である．一部の患児では発達の遅れを認めることがあるため，定期的な評価が重要である．

☑軽症では経過とともに標準範囲に達することが多いが，重症例では多少の変形が残ることがあり，治療が望ましい場合がある．

16　斜頸 -「首が傾いているようだ」「自然に治るのか」など平良　勝章 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1280-1283

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ここがポイント

☑乳幼児期健診で指摘される斜頸は筋性が最も頻度が高く，自然治癒の可能性が高いため過度に心配しない．

☑適切な診断と対応により，多くの場合で良好な経過をたどる．保護者には早期発見と適切な医療機関への受診が重要であることを伝える．

☑マッサージや矯正は効果がないため避ける．

☑医師の指示に従い，必要に応じて頸椎カラーなどの装具を使用することもある．

☑幼児期の斜頸が2週間以上続く場合は再度医師に相談する．多くの場合，1週間程度で改善するが，2週間以上症状が続く場合は環軸椎回旋位固定という深刻な状態を防ぐために重要である．

17　臍 -「でべそ」「おへそが赤い」など渡邉　佳子 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1284-1287

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ここがポイント

☑臍ヘルニアは2歳までに自然治癒することが多い．

☑臍ヘルニアの圧迫療法は早期に開始するほうが有効である．

☑臍炎や臍肉芽腫は，治療が必要であるが，その多くは改善する．

☑難治性の場合には尿膜管遺残症，臍腸管遺残症などの他疾患の可能性があるので専門医に紹介する．

18　股関節 -「股関節が硬い」「開排制限がある場合の服装」「これは成長痛か」など松原　光宏 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1288-1296

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ここがポイント

☑開排制限を認めた場合，整形外科を受診してください．開排制限の判断は左右差ではありません．開排制限が軽度の場合，「男の子なら問題なし」と判断するのは間違いです．

☑開排制限を認めた場合，服装は赤ちゃんが脚を自由に動かせるように工夫してください．また抱っこは「コアラ抱っこ」が推奨されています．

☑歩容異常・О脚を認めた場合，整形外科を受診してください．

☑子どもの下肢痛は要注意です．子どもが下肢痛を訴えた場合，「成長痛」と判断せず整形外科を受診してください．

☑仙骨部に陥凹・多毛を認めた場合，脳神経外科を受診してください．潜在性二分脊椎の可能性があります．

☑乳児股関節健診には「推奨項目」を利用してください．

19　足の形（足部・足趾） -「足が内側に曲がっている」「足の裏が平べったい」など落合　達宏 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1298-1304

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ここがポイント

☑乳幼児健診で出会う可能性のある足の形（足部・足趾）について解説した．

☑足部変形の表現には「運動」「肢位」「変形」が含まれ，用語も異なる．

☑いわゆる疾病名と変形の表現は必ずしも一致しないため混乱しやすい．

☑乳児期にみられる足部の症候である先天性内反足，先天性内転足，先天性外反踵足について解説した．

☑始歩後にみられる足部の症候である外反扁平足，スキューフット，特発性尖足歩行について解説した．

☑足趾の症候である浮ゆびと屈趾症について解説した．

20　歩行の問題 -「O脚・X脚ではないか」「転倒しやすい」「つま先で歩く」など山中　理菜 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1306-1310

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ここがポイント

☑歩行開始後の歩容異常にはさまざまなパターンがあり，将来を心配する家族は多い．

☑多くの場合は成長とともに改善するため，家族に過度な心配をさせる必要はない．

☑ごくまれに重大な疾患が隠れている場合があるため，出生歴や発達歴，生活環境の聴取などが重要である．

皮膚・爪

21　髪のトラブル -「前頭側頭部のみ髪が薄い」「髪がなかなか伸びない・縮毛が強い」など影山　玲子 , 伊藤　泰介 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1311-1314

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ここがポイント

☑新生児は後頭部が一過性に薄毛になる．

☑三角脱毛症という生まれつきの薄毛がある．

☑頭部の先天性皮膚欠損症は治癒後に脱毛斑になる．

☑円形脱毛症のきっかけはさまざまである．

☑幼小児期の抜毛行為は自然治癒が多い．

☑乳幼児の全頭性の縮毛，軟毛は遺伝性毛髪疾患のことがある．

22　おむつかぶれ -「おむつかぶれができた」「予防とスキンケア」など堀　仁子 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1315-1317

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ここがポイント

☑おむつかぶれが生じないように予防とスキンケアが大切である．

☑予防とスキンケアとは，おむつ交換をこまめにすること，皮膚を擦らないように汚物をふきとる（洗い流すこと），ワセリンなどで保湿しバリア機能の強化を図ることである．

☑軽症のおむつかぶれの場合は，ワセリン，ジメチルイソプロピルアズレン軟膏，亜鉛華単軟膏などをおむつ交換のたびに塗布する．

☑症状が強い場合は，短期間マイルドクラスのステロイド外用薬を塗布する．

☑おむつかぶれが発症した場合は，治療とスキンケアを同時に行う．

23　乳児期の湿疹 -「皮膚に赤いブツブツができている」「あせもかもしれない」など岡本　義久 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1318-1323

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ここがポイント

☑乳児湿疹とADの鑑別にとらわれず湿疹の治療にあたる．

☑「湿疹→感作」の順で生じるため，治療は「湿疹の治療→（必要なら）アレルゲン検索」の順で行う．

☑湿疹の積極的な治療はFA発症率低下に寄与すると考えられる．

☑アレルギーマーチの予防には，保湿剤によるスキンケアのみでは不十分であり，湿疹の適切な治療が必要．

☑「湿疹の向こう側」を意識した診療が求められる．

24　アトピー性皮膚炎 -「アトピー性皮膚炎ですか」など佐々木　りか子 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1324-1327

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ここがポイント

☑いつから始まったかを聞く．

☑かゆがっているかどうかを聞く．

☑家族歴を聞く．

☑アトピー性皮膚炎の特徴的皮疹を診断する．

☑2か月以上は経過を追う．

25　日焼け止め・虫よけ -「日焼け止めはどれがよいか」「保湿剤・日焼け止め・虫よけを塗る順番」など堀向　健太 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1329-1333

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ここがポイント

☑紫外線は皮膚に炎症反応を引き起こし，長期的には皮膚癌や白内障のリスクを上昇させる．

☑小児の皮膚は紫外線に敏感なため，SPF15以上の日焼け止めを使用し，適切に塗布する．

☑日焼け止めの成分は紫外線吸収剤と紫外線散乱剤に大別され，それぞれに利点と欠点がある．

☑虫刺症はさまざまな節足動物によって引き起こされ，蚊はとくに重要な媒介生物として注意が必要である．

☑虫よけの主成分にはディート，イカリジン，植物由来成分があり，年齢や使用状況に応じて選択する．

26　爪 -「爪が薄い」「爪が巻いているのではないか」「爪がうまく切れない」など塩之谷　香 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1334-1339

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ここがポイント

☑成長とともに徐々に厚さを増し，大人の爪の形態に近づく．

☑末節骨形成不全があると爪は短いままとなる．

☑手足口病が爪変形や剥離を起こす可能性があることを念頭に置く．

☑靴が足爪変形の原因になることがあるので，つま先に余裕のある靴を適切に履く必要がある．

眼

27　視力 -「どのくらい見えているか」「デジタルデバイスで目が悪くならないか」など林　思音 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1340-1344

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ここがポイント

☑生後1か月前後の新生児は0.01程度の視力であるが，成長とともに視機能も向上する．

☑視力が年齢相応に発達していない状態を「弱視」という．

☑弱視の原因は「屈折異常」，「不同視（屈折異常の左右差）」，「斜視」が9割を占める．

☑弱視治療の第一選択は眼鏡装用である．

☑過度なデジタルデバイス使用は近視の発症および進行を早めるおそれがある．

☑近視進行予防策として，① 屋外活動時間を増やすこと，② 近業作業時間を短くすることが有効である．

28　眼位の問題 -「視線が合わない」「ときどき斜視になっているように見える」など後藤　美和子 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1346-1349

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ここがポイント

☑斜視によって視力や両眼視の発達が妨げられることがある。

☑斜視は重大な器質的疾患が原因で起こることがある。

☑偽内斜視とされた場合でも，慎重な経過観察が勧められる。

29　目やに・目の潤み -「生まれつき涙・目やにがある」「睫毛が目に入るようでよく涙目になっている」など大野　智子 , 松村　望 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1350-1353

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ここがポイント

☑先天鼻涙管閉塞は自然治癒しやすい疾患であるが，改善しない場合，症状が長引き，また1歳過ぎてからの眼科受診では，局所麻酔で治療可能な時期を逃して，全身麻酔での治療を余儀なくされる可能性がある．このため，「症状が重い場合や，生後6か月になっても自然治癒していなければ眼科を受診する」と説明することが望ましいと考えられる．

☑睫毛内反は自然軽快の可能性が高いが，場合により角膜乱視，角膜混濁を生じ，弱視を生じる場合があるため，睫毛が角膜や結膜に触れていて，流涙や眼脂の症状が続くようであれば．眼科受診を勧める．

耳

30　聞こえの問題――難聴を疑う -「音のする方を向かない」「聞き返しが多い」など土橋　奈々 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1354-1358

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ここがポイント

☑乳幼児健診は難聴の早期発見のために重要である．

☑新生児聴覚スクリーニングで検出しにくい難聴や，遅発性・進行性難聴がある．

☑滲出性中耳炎によっても難聴を引き起こすため，健診から精密検査に回すことが重要である．

☑軽中等度難聴であっても言語発達に影響するため，難聴の疑いが否定できないならば迷わず精密検査に回すことが重要である．

31　耳の形 -「耳の形がおかしい」「聞こえに影響していないか」「自然に改善するか」など桑原　広輔 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1359-1363

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ここがポイント

☑耳の形態異常は組織欠損を伴わない変形（deformation），と組織欠損を伴う形成異常（malformation）に分類される．

☑変形では早期からの矯正治療により改善がみられる場合がある．

32　耳垢・耳そうじ -「耳そうじは必要か」など廣瀬　正幸 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1364-1366

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ここがポイント

☑外耳道には耳垢が組み込まれた自浄システムがあり，耳掃除は基本的に必要なく，耳垢をとる必要も本来ない．

☑耳掃除，綿棒で耳垢をとることにより，その自浄システムが乱されるリスク，耳垢を押し込むリスク，さまざまな損傷とそれに由来する病態［外耳炎，耳垢栓塞，鼓膜穿孔，耳小骨離断，内耳障害（外リンパ瘻）］を起こすリスクが生じる．

☑米国のガイドラインでは，「耳掃除は，耳垢が何らかの症状をきたしている，あるいは，鼓膜の観察に困るなどの問題を生じていないのであれば基本的に必要はない．綿棒，耳かきを耳の穴には入れてはならない」とされている．

☑自宅で掃除するのではなく，必要ならば小児科医に相談，診察のうえ耳鼻科紹介，あるいは，直接耳鼻科受診がよいのではないかと思われる．

歯・口

33　乳歯の萌出 -「歯が生えてくるのが遅い」「歯に斑点がついている」「歯の本数が足りない」など山座　治義 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1367-1372

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ここがポイント

☑乳歯の萌出には個人差がある．

☑乳歯の早期脱落は全身疾患との関連に注意が必要である．

☑乳歯のエナメル形成不全は永久歯にも生じることがある．

34　歯並び -「受け口になっている」「前歯が出ている（出っ歯）」など島津　貴咲 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1373-1377

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ここがポイント

☑反対咬合：遺伝性のある骨格的な反対咬合以外に，口呼吸や低位舌が原因となる場合がある．食べ方や発音に悪影響を及ぼすことが多い．

☑臼歯部交叉咬合：指しゃぶりが原因の場合は4歳頃まで経過観察とする．

☑上顎前突，前歯部開咬：学童期以降も続く指しゃぶりや，舌を前方に突出する癖，上気道通気障害がある場合は指導・支援が必要である．

☑過蓋咬合：遺伝性のある骨格的なものが多いが，歯ぎしりなどの口腔周囲筋の過緊張，頬杖やうつ伏せ寝などの態癖も原因となる．学童期の顎の成長で改善することもある．

☑叢生：顎と歯の大きさのバランスが原因となる．上唇小帯付着位置異常や癒合歯，過剰歯などにより歯列が乱れることもある．

35　歯ぎしり -「就寝中に歯ぎしりをしている」「歯ぎしりはいつまで続くのか」など香西　克之 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1378-1381

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ここがポイント

☑子どもの歯ぎしりは，成長期の咬合調整としての一過性の生理的現象であることが多いため，しばらく様子をみる．

☑局所的要因には咬合干渉，不正咬合などがあり，過度の咬耗などの症状がある場合は小児歯科専門医への受診が勧められる．

☑全身的要因には，脳性麻痺，ADHDなどの障害が挙げられ，ときに著明な歯ぎしりを生じることがある．

☑乳幼児ではストレスなど心理的要因による歯ぎしりの頻度は低い．

36　指しゃぶり・おしゃぶり -「指しゃぶりはいつまでなら大丈夫か」「歯並びへの影響が心配」など岩本　勉 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1382-1385

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ここがポイント

☑3歳頃までの指しゃぶりは生理的なものであり，不安や緊張を解消する効果もあるので，スキンシップを図りながら経過観察をする．活動が活発になるにつれ，多くの子どもは自然としなくなる．

☑3歳以降も継続する場合は，歯列・咬合に生じた異常が顎発育に影響を及ぼすことがあるため，4歳頃を目標に少しづつやめさせていくことが望ましい．

☑4歳頃までにやめることができれば，歯列・咬合に生じた異常は自然な改善が期待できる．

☑学童期以降も継続している場合，生活背景や心理的状態を評価し多角的に支援を行う必要もある．

☑おしゃぶりは，保護者の意思にその使用が委ねられており，習慣化されやすい．利点・欠点を理解したうえで使用する場合は適切な指導を行う．

37　歯みがき -「歯みがきを嫌がる」「母乳はむし歯の原因になるか」など浜野　美幸 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1387-1391

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ここがポイント

☑う蝕の予防は，歯みがきだけでは難しい．甘味食品を控える，フッ化物の応用を行い，食生活や衛生習慣を確立する．

☑歯みがきを嫌がらないようにするには，歯がはえていない時期から口の中をマッサージして口の中の過敏を少なくする．

☑仕上げみがきは，仕上げみがき用の歯ブラシを使って寝かせてみがく．声かけをして楽しい雰囲気で行う．

☑自分みがきは安全に注意しながら自主性と歯みがきのスキルを育む．

☑母乳も離乳期になり糖質を摂取するとむし歯のリスクになるので，就寝前にはしっかり歯みがきをする．

☑とくに1～2歳は歯みがき中の歯ブラシ事故に注意．自分みがきは座って行い，3歳頃までは事故予防機能のついている歯ブラシを使う．

38　むし歯予防・フッ素 -「甘いものはどのくらいなら大丈夫か」「保護者と食器を分けるべきか」「フッ素は安全なのか」など櫻井　敦朗 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1392-1397

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ここがポイント

☑小児期の乳歯や生えて間もない永久歯はその構造上の特徴から，成人の歯にくらべむし歯になりやすい．

☑小児にむし歯が発生するかどうかは，家庭での食習慣や生活習慣に大きな影響を受ける．

☑間食の回数が1日2回を超えると，小児のむし歯は発生しやすくなる．

☑小児が3歳未満の低年齢の場合，むし歯の原因菌の定着を少しでも遅らせることが予防につながる．

☑歯が生えてきたらむし歯の原因菌は定着し得るため，少しずつ歯磨きを始める．

☑フッ素のむし歯予防効果は確立されたものであり，効果的な利用が勧められる．

泌尿器・生殖器

39　おむつはずし・トイレトレーニング -「トイレトレーニングが進まない」「排便のみオムツでしかしない」など小宅　千聖 , 池田　裕一 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1398-1401

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ここがポイント

☑トイレトレーニングの開始時期と方法は，個々の発達や家庭の状況に応じて柔軟に対応することが重要である．

☑トイレトレーニングの初期段階では，子どもがトイレやおまるに対して興味をもち，嫌悪感を抱かないように工夫することが大切である．

☑トイレトレーニングが進まない場合は一度中断し，状況が改善した後に再開することも有効である．

☑トイレトレーニングにおいては，保護者の焦りを抑え，少しの進歩でも積極的に褒めることが子どもの自信とやる気を育てる．

☑おまると補助便座，布製と紙製のトレーニングパンツにはそれぞれのメリット・デメリットがあり，子どもと家庭の状況に応じて使い分けることが望ましい．

40　おねしょ・夜尿症 -「いつから治療するべきか」「夜間に起こしてトイレに行かせるべきか」など内藤　泰行 , 安食　淳 , 浮村　理 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1402-1406

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ここがポイント

☑『夜尿症診療ガイドライン 2021』では，夜尿だけの単一症候性夜尿症と，昼間の下部尿路症状を伴う非単一症候性夜尿症のエビデンスに基づいたアプローチの方法を明確にした．これに従って診療を進めることが推奨される．

☑本人と保護者が困っている場合には積極的に治療に取り組む．当科では目安は7歳である．

☑夜尿症治療の第一選択は，デスモプレシン（経口薬）と，アラーム療法である．

☑単一症候性夜尿症に対して，抗コリン剤による単独治療は第一選択としないことを推奨する．

☑デスモプレシン単独治療より早期に改善を希望する場合や，デスモプレシンで効果が得られない場合に，デスモプレシンと抗コリン剤の併用療法を提案する．

☑デスモプレシン，アラーム療法，その両者の併用で効果の得られない場合に，三環系抗うつ薬を提案する．

41　便秘 -「便秘だと思う」「排便時に痛がる」「薬や浣腸で便秘がクセになるか」など萩原　真一郎 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1408-1411

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ここがポイント

☑保護者の訴える “便秘” はさまざまであるため，便回数・便性状を問診で確認する．

☑母乳から粉ミルクへの切替え時や離乳食開始時に便秘になりやすい．

☑Red flagsを確認し，器質的疾患の可能性がある場合には専門機関への紹介が必要である．

☑便秘薬や浣腸の使用により便秘が “クセ” になることはなく，これらの適切な便秘治療により便秘の悪循環を断ち切ることが便秘治療において重要である．

42　便の色・尿の色・おりもの -「オムツ・下着に色がついていた」「便の色が気になる」など太田　和秀 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1412-1417

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ここがポイント

☑着色の原因として真っ先に考えられるのは血液である．血便，血尿が原因である病態は，軽症から重症まで幅が広い．全身状態と合わせて考える必要がある．

☑内服薬や食事の影響もしっかり聴取することが肝要である．

☑生理的な着色便，着色尿，おりものがあることも念頭におくべきである．

43　陰茎の大きさ・形［男児］ -「陰茎が小さいのではないか」「形がおかしいのではないか」など此元　竜雄 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1418-1420

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ここがポイント

☑陰茎が小さい場合，矮小陰茎，埋没陰茎の鑑別が必要である．

☑年齢相応の伸展陰茎長であるかどうかで矮小陰茎を診断し，疑えば小児内分泌科医に相談する．

☑埋没陰茎は自然軽快が期待できる．様子をみてよいが，バルーニングなど有症状例，保護者の心配が強い場合は小児泌尿器科専門医に紹介する．

☑陰茎の形がおかしい場合，埋没陰茎，翼状陰茎，陰茎弯曲・捻転，尿道下裂などが鑑別診断に挙がる．

☑翼状陰茎の程度が強い場合，陰茎弯曲・捻転，尿道下裂は原則的に手術を要するので小児泌尿器科専門医に紹介する．

44　外陰部［女児］ -「尿が2つに分かれる」「尿道口に小さなできものがある」など林　祐太郎 , 西尾　英紀 , 水野　健太郎 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1422-1428

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ここがポイント

☑Skene管嚢胞は，尿道口付近の嚢状の腫瘤で，自壊することが多い．

☑尿道脱は，尿道粘膜が尿道口のレベルで全周性に脱出したものである．

☑尿管瘤は，尿管の末端部分の嚢胞性拡張で，瘤の一部が尿道口に嵌頓すると尿閉をきたす．

☑横紋筋肉腫では，尿道口や腟口からブドウの房のような腫瘤が飛び出すことがある．

☑陰唇癒合は，腟前庭部を被うように小陰唇が正中で癒合するものである．

☑先天性副腎過形成の女児では陰核が著明に肥大することがある．

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目次 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1200-1203

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投稿規定 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1430-1431

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バックナンバー 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1432-1432

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次号予告 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1433-1433

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許諾済複写物シールについてのお知らせ 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1434-1434

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奥付 65巻12号 , 2024年11月 , pp.1434-1434

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基本情報

小児科
65巻12号
(2024年11月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0037-4121 金原出版

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