特集 小児科医が診る皮膚症状――日常的な訴えから見逃したくない疾患まで
9.先天性魚鱗癬・魚鱗癬症候群の最近の進歩――遺伝子診断から新しい疾患概念・個別化治療へ
加藤 塁
1
,
須賀 康
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科
pp.828-833
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003981
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先天性魚鱗癬・魚鱗癬症候群の診療は,臨床表現型を中心とした診断から,遺伝子型と分子病態を重視する時代へ移行した.2026年度には本邦でも先天性魚鱗癬の遺伝学的検査が保険収載され,確定診断のみならず,合併症リスクの評価や診療方針の決定,遺伝カウンセリングへの活用が期待される.2025年のREDDI分類では,先天性魚鱗癬などの遺伝性角化異常症を表皮分化疾患(EDD)としてとらえ,原因遺伝子を軸とする新たな命名法を提唱している.治療面でも保湿剤やレチノイドを基本としつつ,遺伝子異常の下流に生じる炎症経路を標的とした生物学的製剤やJAK阻害薬など,分子病態に基づく治療の可能性も検討されている.本稿では,遺伝子診断,新分類,個別化皮膚科学(precision dermatology)などの最近の進歩について概説する.

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