症例
ミシュランタイヤ児症候群が疑われた1p36欠失症候群例
新井 麻子
1
,
中川 栄二
1国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科
キーワード:
抗けいれん剤
,
MRI
,
鑑別診断
,
てんかん
,
頭部
,
脳波記録法
,
Fluorescence in Situ Hybridization
,
ヒト第1染色体
,
1p36欠失症候群
,
ミシュランタイヤ赤ん坊症候群
Keyword:
Anticonvulsants
,
Chromosomes, Human, Pair 1
,
Electroencephalography
,
Diagnosis, Differential
,
Epilepsy
,
Head
,
Magnetic Resonance Imaging
,
In Situ Hybridization, Fluorescence
,
Chromosome 1p36 Deletion Syndrome
,
Michelin Tire Baby Syndrome
pp.961-965
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2016305974
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症例は4歳女児で、生直後より筋緊張低下、および特異顔貌多発奇形を認めた。吸綴が不良なため経管栄養管理となった。生後3ヵ月頃より体幹、四肢にリング状の襞を認め、ミシュランタイヤ児症候群と診断した。徐々に襞は顕著になり、2歳頃最も著明になったが、以後次第に軽快した。1歳まで経管栄養を施行したが、その後経口摂取可能となった。運動発達の遅滞を認め、2歳で座位可能となったが、つかまり立ちなどは認めていなかった。また精神発達の遅滞もあり、有意語はなかった。FISH解析を行ったところ、46,XX,ish del(1)(p36.3)(D1Z2-)と染色体異常を認め、1p36欠失症候群と確定診断した。4歳時に朝食中に突然無呼吸、チアノーゼが出現、脳波検査にて両側後頭部に高振幅徐波、右前頭・中心部に棘波を認めた。てんかんによる無呼吸と診断し、抗てんかん薬内服となった。4歳になり、つかまり立ち、伝い歩きを認めるようになったが、有意語は出現していない。
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