特集 小児 一次救急マニュアル─帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き─
❹事故・外因性原因別アプローチ
7.薬物中毒
大竹 正悟
1
,
小橋 孝介
1,2
1松戸市立総合医療センター小児医療センター小児科
2千葉大学大学院医学研究院附属法医学教育研究センター
キーワード:
小児救急
,
薬物中毒
,
トキシドローム
,
one pill can kill
Keyword:
小児救急
,
薬物中毒
,
トキシドローム
,
one pill can kill
pp.808-817
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000889
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小児救急の現場において薬物中毒の頻度は低いが,原因薬剤は多岐にわたり,帰宅可能な患者から集中治療を必要とする患者まで重症度もさまざまである.初期対応で最も重要なことはABCDEアプローチによる全身状態の評価であり,中毒物質の推定や治療よりも優先すべきである.次に病歴や症状から薬物中毒を疑うことが重要であり,問診内容,トキシドロームなどから中毒薬物を推定する.検査結果も薬物の推定に有用であるが,偽陽性や偽陰性があることに注意する.患者の全身状態をはじめ,中毒薬物の種類や量,内服した理由などから受診した患者が帰宅可能なのかを判断するが,基本的には,入院もしくは他の医療機関への搬送が望ましい.
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