保健師ジャーナル 76巻6号 (2020年6月)

特集 進むデータの利活用—現場の保健師の役割と機能を知る

  • 文献概要を表示

情報通信技術(ICT)の発達により,保健現場には一層のデータの利活用が求められている。本特集では,保健師が利用可能なデータや,その活用の方法,質的データを含めた検討の重要性など,利活用の上での心構えについて,地域での取り組みとともに紹介する。

  • 文献概要を表示

情報通信技術(ICT)の発達により,保健現場には一層のデータの利活用が求められている。ここでは,地域で利活用可能なデータや,利活用の目的に応じた分析方法,質的データを含めた検討の重要性について述べるとともに,保健師の役割について考える。

  • 文献概要を表示

データを利用する目的や持続可能性の高い処理体制などを確認した上で,保健師が利用可能と思われるデータとその活用方法について,在宅医療・介護の分野で国保データベース(KDB)を活用する例などを交えながら解説する。

  • 文献概要を表示

富山県新川厚生センターにおける公的機関の公表データ等の事業への活用について,在宅医療推進に関連するデータ分析を例に紹介する。また,データ活用と並行して多職種・多機関と連携体制を構築する重要性や,データ活用の上での課題・留意点についても考察する。

  • 文献概要を表示

中芸広域連合では,介護保険や地域の介護予防などの状況から,住民主体の効果的な介護予防と自助・互助の地域づくりが必要と考え,当広域連合保健福祉課と地域包括支援センターなどを集めた「介護予防戦略会議」を開催した。この会議を軸として住民と共に取り組んだまちづくりについて報告する。

  • 文献概要を表示

泉大津市について

 泉大津市(以下,本市)は,人口7万4490人,高齢化率25.5%1)(2020〔令和2〕年3月現在)であり,大阪南西部の関西空港と大阪都心部の中間地点に位置し(図1),いずれからも南海本線で30分以内に到着できるアクセスに便利なベットタウンです。大阪湾を臨み,古くは,和泉の国の国府の港として栄え,綿花栽培が盛んでした。その織物の殖産と海運の要所であったことから,近代は毛布の一大産地となりました。現在も国産毛布のシェアの90%は泉大津市が占めています。なお,公有水面の埋立地を除いた面積は8.93km2,東西約5.4km2,南北約5.5km2のコンパクトシティです。

 

泉大津市では,健康維持・増進における「あしゆび」を鍛える効果に着目。各部局がそれぞれの事業で「あしゆび運動」などの「あしゆび」を鍛える取り組みを行って,その事業成果を集約し結果を出していく「あしゆびプロジェクト」を行っています。その取り組みを紹介します。

  • 文献概要を表示

はじめに

 2019年10月23〜25日にオランダ第三の都市デンハーグ市で開催された第29回欧州アルツハイマー会議への学会参加に先立ち,オランダの若年性認知症ケアに関連する施設を訪問した。オランダは認知症施策の先進地であり,若年性認知症の施策や取り組みの現状,課題を知り,支援者の生の声を聴く中で,若年性認知症の施策や取り組みの現状や課題を知ることを目的とした。

 訪問したのは,若年性認知症の人の就労継続支援について研究している筆者(表)と,共同研究者である池内,および今回の視察コーディネーター内海氏と通訳の中村氏の4人である。

 視察先は日程の都合により,デンハーグから電車で約30分のゴーダ市で開催された「アルツハイマーカフェ」,デンハーグ市マリアホーブの若年性認知症専門施設「Verpleeghuis Mariahoeve」(マリアホーブ介護ホーム),アムステルダム市南部にある認知症デイケアセンター「オーデンセハウス・アムステルダム・ズード」の3カ所を選定した。

  • 文献概要を表示

はじめに

調査の背景と概要

 2019年末の中国武漢市の肺炎増加の報道から始まった新型コロナウイルス感染症の流行1)は,現在では,ヨーロッパ諸国だけではなく,世界の全ての国にとって大きな脅威となっている。

 日本は,発生源の近隣で人的交流も多く,比較的初期から感染が確認された。そして国内では,すでに3月2日から全ての小中学校に臨時休校の要請がなされるなどの全国的な対策が取られ,3月25日には大きな経済的損失が予想されるにも関わらず東京オリンピックの延期が決定された。さらに,4月7日には緊急事態宣言が出されるなど,国民生活にも社会経済にも大きな影響を及ぼしている。

 今回,この新型コロナウイルス感染流行に関する意識や行動について,医療従事者を中心とした全国インターネット調査(n=414)を行った。調査時期は,WHOがパンデミックを表明したことが報道された3月13日から3日間で,その分析から,この時点での医師,看護師および理学療法士等の医療従事者集団が,この出来事をどのように捉え,どのような評価を持ったのか,それに対処するためにどのような行動を取ろうとしたのかについて記述的に紹介したい。

 なお,この調査は別の研究の一環として実施され*1,比較対照は小中学校教師(以下,教師)集団および公認心理師・臨床心理士(以下,心理師)集団である。

 対象者数は,医師・歯科医師(以下,医師集団)108,看護師・保健師・助産師(以下,看護師集団)99,理学療法士・作業療法士(以下,PT・OT)66,教師113,心理師28で*2,統計的推計は基本的にχ2検定により部分的に分散分析を用いた。

 感染の状況は日々大きく変化しているため,この調査は小規模でもあり一時点の断面的な知見である可能性がある。しかし,この大きな危機に医療従事者がどのように対応しようとするのかという一般的傾向を伺うことができ,これは効果的な感染対策の基盤の一部となると考えられる。この報告が,今後の医療体制を維持するために資することを願っている。

連載 「おも★けん!」新任期でもできる!おもしろ健康教育のつくり方・3

  • 文献概要を表示

健康教育の目的は

エンターテイメントではない

 健康教育は,分かりやすいだけではなく,しっかりと内容を覚えていてもらうことや,実際の健康行動につながることが必要です。

 あっさり却下されてしまった「お笑い健康教育」案ですが,手法としては悪くありません。健康教育が上手な保健師は,ユーモアや人を笑わせるスキルを持っているのも特徴です。このような場の雰囲気をほぐすコミュニケーション技術を磨いておくことは,いろいろな場面で仕事を助けてくれます。具体的なテクニックの例は,ぜひ別の回に紹介できればと思っています。

連載 ネウボラから学ぶ日本の母子保健再構築・3

  • 文献概要を表示

はじめに

 フィンランドの母子保健は,国際的にも高い評価を受けており,優れたシステムを有している。このフィンランドにおける母子保健活動の地域拠点が「ネウボラ」である。

 ネウボラの中で必須と言えるシステムは,❶子どもを持つ家族への継続的な支援により構築される担当保健師との信頼関係と,❷父親を含めた家族全員の支援なのである。このシステムがあるからこそ,保健師は家族との信頼関係を築きやすく,家族の抱える繊細な問題を早期に発見し,支援につなげることができている1)

 一方,日本の母子保健を担ってきた保健師は,地区担当制,業務分担制,地区担当と業務担当が相互に連携しながら活動する重層型の体制で活動してきた。しかし,家族に対してさまざまなサービスが用意されているにもかかわらず,個人の状況に応じたサービスにつながらない,妊娠出産に関する悩みの相談先が分かりにくい・相談体制がないという課題が指摘されてきた。これは,母子保健サービスが単発のサービス提供に終わっており,担当保健師に気軽に相談でき,顔の見える関係づくりが多くの場合できていなかったことが原因の1つと考えられる。

 他方,2017(平成29)年4月から,母子保健法の改正により,子育て世代包括支援センターを市町村に設置することが努力義務となった。同センターでは以下のことが求められている。

・妊娠期から子育て期にわたり,地域の特性に応じ,切れ目なく支援する

・妊産婦,子育て家庭の個別ニーズを把握し,必要なサービスを円滑に利用できるようきめ細かく支援する

・地域のさまざまな関係機関とのネットワークを構築し,必要に応じ社会資源の開発などを行う

 全妊婦に対し妊婦面接を行う過程を通じ,家族の養育力を高める取り組みなどが進められている。しかしながら,具体的な運用については市町村の創意工夫が求められており,戸惑いの声も聞かれている。

 本稿では,フィンランドにおけるネウボラの必須のシステムの基本を取り入れた大阪市版ネウボラ具体的運用について解説し,皆さまの母子保健再構築の一助となることを願う。

連載 ポジティブな地域づくりを考える ポジティブ心理学×公共哲学から見る公衆衛生活動・3

  • 文献概要を表示

 第3回は,まず小林氏がコミュニタリアニズムを念頭にコミュニティと社会のウェルビーイングとの関係について考察します。それを受けて島井氏がポジティブ心理学とコミュニティとの関わりや,地域活動の源となる「エンゲイジメント」について解説します。

連載 ニュースウォーク・265

  • 文献概要を表示

 時にドッキリニュースが潜んでいるから新聞は見逃せない。4月3日の朝日新聞朝刊のスポーツ面に掲載された森喜朗氏のインタビューもそうした1つだろう。

 東京五輪・パラリンピック(以下,五輪)大会組織委員会会長の森さんである。「五輪の来夏延期」について胸中を語った。延期は3月24日,安倍首相とバッハIOC会長との電話協議で決まった。その30分前,事前打ち合わせで首相公邸に呼ばれた森さんが,首相と交わした会話をインタビューで明かした。

  • 文献概要を表示

History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は看護学部と福祉心理学部の2学部からなる大学です。1900(明治33)年に開学した縫製伝習所を礎とし,120年の歴史の中で発展的な改組を経て,2000(平成12)年に大学として開学しました。2020(令和2)年度からは大学院看護学研究科にヒューマンケア看護学分野を設け,保健師が修学しやすい環境を整えました。学舎は日本海を望む小丘にあり,日本一海に近い大学です。日本海に沈む夕陽は格別で,海沿いの散歩コースや砂浜は学生たちの憩いの場になっています。

--------------------

目次

バックナンバー一覧

今月の3冊プラス1

次号予告・編集後記

基本情報

13488333.76.6.jpg
保健師ジャーナル
76巻6号 (2020年6月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

前身誌

文献閲覧数ランキング(
6月22日~6月28日
)