精神看護 17巻6号 (2014年11月)

緊急企画 これがユマニチュードだ!

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 認知症ケアの新しい技法として、今注目を集めている「ユマニチュード(Humanitude)」。

 ユマニチュードは知覚・感覚・言語を包括したコミュニケーション法を軸にしたケアの技法で、イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティの両氏によって1979年に誕生しました。

 攻撃的になったり、徘徊したりするお年寄りを、“こちらの世界”に戻す様子を指して、「魔法のような」とも称されます。しかしこれは、魔法でも奇跡でもなく、伝達可能な「技術」です。

 2014年夏、ユマニチュードを開発したイヴ・ジネスト氏が来日し、8月12日、東京・新宿の紀伊國屋サザンシアターにて講演会が開かれました。その温かく、優しく、時にユーモアを交えた語りに、会場にいる人は引き込まれ、「あっという間の2時間だった」との感想も聞かれました。壇上には、ユマニチュードを日本に紹介した国立病院機構東京医療センターの総合内科医師、本田美和子氏も同席し、講演をサポートしました。

 本誌では、この好評を博した講演を再現し、紹介していきます。(本誌編集室)

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この座談会が目指したもの

 今日の座談会には、精神科訪問看護の達人たちにお越しいただきました。「ストレングスモデルが医療に入ると何が変わるか、どんないいことがあるか」について話し合っていけたらと思います。

 『精神看護』2014年7月号の連載において、私はストレングスモデルで看護をするための「ストレングス・マッピングシート」(図1)というアセスメント用紙と、毎回の看護を記録するための用紙(図2)を紹介・提案しました。

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 精神科医療の現場で、医師は、診療録や検査指示書、診断書、紹介状、診療情報提供書など、多くの書類を作成しています。法律にもとづいて提出しなければいけない書類も多々あります。

 言うまでもなく、現在の医療はチーム医療によって成り立っています。また、精神障害者を支援する資源は、もはや医療機関だけではなく、地域の相談支援事業所や就労支援事業所など、さまざまなものがあります。それらをどのようにつないでいくか、適切な連携をつむいでいくか。それらの出発点となるのが医師が記載する書類であるとすると、その重要性には大きなものがあります。では、その書類にはどのようなものがあって、どのように記載されているのでしょう。意外と知られていないかもしれません。これから医療機関と地域が手を携えて共に精神障害者を支援する時代になっていくなか、医師以外の人たちも、それらの書類について知ることは重要だと思います。

連載

べてる新聞『ぱぴぷぺぽ』・100

連載 まさぴょんの「こんなレクリエーション療法はどう?」・6【最終回】

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 この連載も最終回です。みなさんおつきあいいただいてありがとうございました。

 今回は、読者からいただいたお悩み─「レクの担当者になるとつらくて仕方がない」─に私なりのアドバイスをお伝えする形で、書いてみたいと思います。

連載 失恋の話を聞きまくる男たち。桃山商事・3

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 前回(9月号)では、編集部からの様々な疑問や質問にお答えしました。桃山商事が女性の話を聞いても恋愛化しないのはなぜか──そんな疑問に回答しながら桃山商事の活動理念を紹介させていただきましたが、失恋ホストがわりとマジメな活動であることが、読者のみなさんに少しでも伝わっていたら幸いです……。

 さて、第3回目のテーマは失恋ホストの現場紹介。つまり、「実際にどんな女性が桃山商事のもとを訪れ、そこではどんな会話がなされているのか」というものです。今回は「年下男性にフラれてしまった」という女性(M子さん)のケースを紹介してみたいと思います。

連載 中動態の世界・6【最終回】

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中動態という「特殊」な文法をめぐって、古典ギリシャ語以前の言語から1万年以上にも及ぶ旅をしてきたこの連載もいよいよ最終回を迎えました。

中動態が姿を消していった理由を探るため文法の歴史をさかのぼってみると、意外なことがわかってきます。

どうやらかつては「出来事」こそが大切で、「行為者」には興味がなかったようなのです。

えっ、それが中動態とどういう関係が─?

さあ、本文をどうぞ!

連載 「自殺者の少ない地域」のコミュニケーション力を考察する・2

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問題に対処するための2方向のコミュニケーション法

 生きづらさを楽にするためにとるコミュニケーション方法を、2つのタイプに分けてみると、1つは「問題が起こらないようにする」よう話し合う予防型のコミュニケーションで、もう1つは「問題が起こったときにどうするか」を話し合う解決型のコミュニケーションと考えることができる。

 支援の現場でのコミュニケーションはどちらか一方に偏ることがあり、特に前者に偏ることが多いようである。前者に偏ると、管理することやルールを守ることばかりが増えて何かを試すことを恐れるようになる。よって、試すことによって得られる経験値というものを上げる機会を失う。すると、問題解決能力が低下していく。結果的に、問題が起こったときには問題解決に進むよりも犯人探しばかりをしてしまいがちになる。人間関係は自ずと壊れやすくなる。

連載 夜勤飯・4

夜勤飯
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 「お・も・て・な・し」。滝川クリステルさんが2020年東京五輪の招致スピーチで使い、話題となり、昨年の流行語大賞を受賞したセリフです。

 「おもてなし」は、家族と接するように、表裏のない心で見返りを求めない対応だと言われています。私の病院には、何十年も前から、この「おもてなし」精神で職員にご飯を振る舞ってくれる大先輩の看護師、「岡田さん」がいます。

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研究の動機

 病をかかえて入院する患者の心は不安に満ち溢れている。そのような状態で、目の前に親身にケアを尽くしてくれる看護者が現れれば、その看護者に対して特別な想いが展開され、好意をもつに至っても不思議ではない。特に精神病をかかえる人にとって、入院生活は大きな環境変化を伴う、不安に彩られた特殊な環境である。それにより精神科病棟の看護師は、患者から好意をもたれる対象となることを、しばしば経験する。

 精神科患者からの好意に関する先行研究のなかで、看護師はさまざまな感情を体験していた*1-4。これらの体験は、患者へ対応することへの不安、自分自身への不信感、他スタッフへの罪悪感など、苦悩の文脈を中心として記述されていた。

書評

「腰痛のない身体介助術」 綾屋 紗月
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腰痛が治った!かつてない健康な体へ

介助は毎日やってくる

 30代前半の頃、私は脳性まひの車いすユーザーと暮らすことになった。「幼い頃から虚弱体質の私には介助などとてもできない」と伝えると、「共同生活後も引き続きヘルパーを利用していく」と言うので安心していた。しかし、共に暮らし始めて数か月、入浴といった大きな介助はないものの、起床、トイレ、突然の失禁など、日々のちょっとした介助は積み重なり、慣れない私の身体は悲鳴をあげた。それは、ぎっくり腰のように突然ドカンとやってくる痛みとは異なる、にぶく、じわんじわんとまとわり続ける腰の痛みだった。

 「もう移乗を手伝うの、やだな」。介助のたびにどんよりとした気分になり、早くも行き詰まり始めた頃、本書の著者である岡田慎一郎さんに出逢った。紳士的にエスコートするような岡田さんの繊細な介助の動きと、細身の体で軽々と脳性まひのパートナーの身体を抱え上げる様子に驚き、「私になんかとても無理!」と思った。

読者投稿コーナー ここ掘れかんかん!

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危険ドラッグ使用患者による看護師への傷害事件

匿名

 私は、東北地方にある単科の精神科病院で看護部長をしている者です。今回、危険ドラッグを使用したと思われる患者が、幻覚・妄想状態による激しい興奮状態を呈し、警察官7名によって保護され、当院を受診し医療保護入院となった事例を経験しました。

 患者は精神運動興奮状態にあり、入院当初から隔離および身体拘束の行動制限を行っていました。興奮状態の出現の仕方は統合失調症の場合とは異なり、周期的に繰り返されていました。興奮状態が治まりかけた頃から身体拘束は解除され始め、行動制限はゆるやかになっていました。そのような治療経過中のある日に、この事件は起こりました。

精神保健関連ニュース

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精神科病床、日本が突出

OECD平均の4倍

7月28日付○日本経済新聞

 先進34か国が加盟する経済協力開発機構(OECD)は、各国の精神医療に関する報告書をまとめ、日本の精神科病床数はOECD平均の4倍で「脱施設化」が遅れていると指摘した。2011年前後のデータに基づく人口10万人当たり精神科病床数は、OECD平均で68床。それに対し日本は269床と突出しており、加盟国中で最も多い。年間の自殺率も、OECD平均の10万人当たり12.4人と比べて日本は20.9人と高く、「要注意」と警告。地域医療を担う全ての専門職に精神分野での能力を向上させるよう検討を求めた。

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次号予告・編集後記

精神看護 第17巻 総目次

基本情報

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精神看護
17巻6号 (2014年11月)
電子版ISSN:1347-8370 印刷版ISSN:1343-2761 医学書院

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