研究
統合失調症患者に好意を向けられた女性看護師の感情体験
清水 隆裕
1
,
入江 拓
1
1聖隷クリストファー大学看護学部
pp.76-84
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200014
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研究の動機
病をかかえて入院する患者の心は不安に満ち溢れている。そのような状態で、目の前に親身にケアを尽くしてくれる看護者が現れれば、その看護者に対して特別な想いが展開され、好意をもつに至っても不思議ではない。特に精神病をかかえる人にとって、入院生活は大きな環境変化を伴う、不安に彩られた特殊な環境である。それにより精神科病棟の看護師は、患者から好意をもたれる対象となることを、しばしば経験する。
精神科患者からの好意に関する先行研究のなかで、看護師はさまざまな感情を体験していた*1-4。これらの体験は、患者へ対応することへの不安、自分自身への不信感、他スタッフへの罪悪感など、苦悩の文脈を中心として記述されていた。
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