特集1 増え続ける身体拘束に歯止めを!
松沢病院はこのように取り組みました
増え続ける身体拘束に歯止めを!—松沢病院はこのように取り組みました
中田 信枝
1
1東京都立松沢病院
pp.408-427
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200391
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1 そもそも身体拘束の定義にグレーゾーンがあるために生じている問題があります
身体拘束は増えている?!
皆さんは既にご存知のことと思いますが、全国の精神科病院における行動制限は隔離・身体拘束共に年々増加し、身体拘束は2014年は1万682人で過去最高となりました。なぜ増加しているのでしょうか? 一説では、認知症患者の増加、患者の高齢化により身体管理の必要な患者が増加している……などの理由も取り上げられていますが、実際のところは明確になっていません。今年4月に国会でこの問題が取り上げられ、今後調査していくということです。
では、松沢病院ではどうでしょうか? 実は、松沢病院では身体拘束をしている患者さんは減少しています。なぜ減ったのかというお話をさせていただく前に、皆さんと一緒に考えたいことがあります。
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