書評
「腰痛のない身体介助術」
綾屋 紗月
1
1東京大学先端科学技術研究センター
pp.106-107
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200003
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腰痛が治った!かつてない健康な体へ
介助は毎日やってくる
30代前半の頃、私は脳性まひの車いすユーザーと暮らすことになった。「幼い頃から虚弱体質の私には介助などとてもできない」と伝えると、「共同生活後も引き続きヘルパーを利用していく」と言うので安心していた。しかし、共に暮らし始めて数か月、入浴といった大きな介助はないものの、起床、トイレ、突然の失禁など、日々のちょっとした介助は積み重なり、慣れない私の身体は悲鳴をあげた。それは、ぎっくり腰のように突然ドカンとやってくる痛みとは異なる、にぶく、じわんじわんとまとわり続ける腰の痛みだった。
「もう移乗を手伝うの、やだな」。介助のたびにどんよりとした気分になり、早くも行き詰まり始めた頃、本書の著者である岡田慎一郎さんに出逢った。紳士的にエスコートするような岡田さんの繊細な介助の動きと、細身の体で軽々と脳性まひのパートナーの身体を抱え上げる様子に驚き、「私になんかとても無理!」と思った。
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