実践報告
山梨県立北病院訪問看護ステーションによる突然死予防プロジェクト
定月 美彩代
1
,
清水 あや子
1
,
猪又 加寿子
1
,
三澤 史斉
2
1山梨県立北病院訪問看護ステーション
2山梨県立北病院
pp.416-420
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201325
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地域生活中心になり増える懸念
統合失調症を中心とした精神疾患のある患者は、一般人口に比べ死亡率が2〜3倍高く*1、平均寿命は15〜20年短いことが報告されている*2。その原因は主に身体疾患とされ、なかでも心血管系疾患による突然死が大きなウエイトを占めることが明らかになっており*3,4,5、喫煙、食事、運動といった生活習慣の問題、向精神薬の影響(メタボリックシンドロームなど)、身体疾患への対応の不十分さなどが関係していると考えられている*6。
近年、「入院医療中心から地域生活中心へ」という施策が進められている中で、セルフケアを自立して十分に行うことや身体疾患モニタリングが困難な患者が増加していくであろうことが考えられる。つまり、早期死亡のリスクが上昇する懸念がある。地域で生活する患者の食生活、活動、整容、安全確保などのモニタリングを行い、そのスキルの維持・向上ためのケアを担う精神科訪問看護の役割は、生命予後を改善していく上でもますます重要となるだろう。
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