連載 「自殺者の少ない地域」のコミュニケーション力を考察する・2
「声かけ」ができる背景
森川 すいめい
1
1世界の医療団東京プロジェクト
pp.98-101
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
問題に対処するための2方向のコミュニケーション法
生きづらさを楽にするためにとるコミュニケーション方法を、2つのタイプに分けてみると、1つは「問題が起こらないようにする」よう話し合う予防型のコミュニケーションで、もう1つは「問題が起こったときにどうするか」を話し合う解決型のコミュニケーションと考えることができる。
支援の現場でのコミュニケーションはどちらか一方に偏ることがあり、特に前者に偏ることが多いようである。前者に偏ると、管理することやルールを守ることばかりが増えて何かを試すことを恐れるようになる。よって、試すことによって得られる経験値というものを上げる機会を失う。すると、問題解決能力が低下していく。結果的に、問題が起こったときには問題解決に進むよりも犯人探しばかりをしてしまいがちになる。人間関係は自ずと壊れやすくなる。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.