実践報告
―回想法と心理劇のコラボレーション―「アクティブ回想法」
赤崎 安昭
1,2
,
神﨑 美穂
2
,
濱本 美帆
2
,
内村 準一郞
2
,
大重 勝子
2
,
下島 圭三
2
,
森薗 正樹
2
,
森岡 洋史
3
1鹿児島大学医学部保健学科臨床作業療法学講座
2特定医療法人共助会三州脇田丘病院
3鹿児島大学保健管理センター
pp.46-52
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101215
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「アクティブ回想法」なるものを編み出した!
「回想法」とは、主に高齢者を対象として、過去を思い出す行為や、それを語る過程を利用して、QOLを高める心理療法であり、1963年アメリカの精神科医であるロバート・バトラーが創始した手法である*1。一方、「心理劇」とは、精神分析家ヤコブ・モレノが創始したドラマ的手法を用いた集団精神療法であり、気づきや自己洞察、カタルシスを獲得する技法である*2。
特定医療法人共助会三州脇田丘病院(以下、当院)では、作業療法のプログラムとして、2008年6月から「もみじ会」と称するグループを作り、主に高齢者の精神疾患患者を対象に回想法をおこなってきた。しかし、当院には壮年層の患者も多いため、この回想法に加えて、参加者の自発性を引き出し、対人関係障害の改善をも期待できる技法として「心理劇的要素」を取り入れる方法が有益であると判断し、回想法と心理劇の要素を独自にコラボレートした「アクティブ回想法」(以下、本法)を導入した。
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