理学療法ジャーナル 50巻5号 (2016年5月)

特集 運動器疾患—エキスパートはこうみる

EOI(essences of the issue)
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 エキスパートとは専門家,達人などとされる.運動器疾患を総じていえば理学療法の対象疾患として最多と考えられるが,種類や頻度が多いということはさまざまな考えがあって当然である.またエキスパートの評価,エキスパートの治療には何か違う点があるはずである.エキスパート独自の観点があり,独特の哲学も見え隠れする.投球動作,関節唇損傷,アキレス腱炎,下肢スポーツ障害,腰痛をそれぞれの題材として,身体相互の関係性における評価や治療のポイントについて専門的観点から紹介する.

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はじめに

 筆者は小学生から大学生までは選手として野球に携わり,大学生のときは選手の指導にも携わり,その後は整形外科医として患者や選手を診てきた.2008年から投球障害の研究を始め,生体力学や統計学,コンピュータプログラミングなどを勉強し,この7年間は一研究者として多くの理工学系の研究者たちと議論を重ねてきた.

 つまり,筆者はスポーツ現場と医学と理工学との重なる学際領域に立っており,本稿では図1に示す視点から論を展開していきたい.はじめに投球動作の研究を読み解くうえでの一般的な注意点を記載し,次項では筆者の研究結果から導いた「パフォーマンスを考慮しつつ障害を防止する投球動作」を供覧する.

関節唇損傷と肩関節動作 山口 光國
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関節唇損傷に対するセラピーの基本的な考え方

 関節唇損傷,特に上部関節唇損傷はSLAP(superior labrum anterior and posterior)とされ,損傷の状態により4つに分類される.タイプⅠは関節唇辺縁が擦り切れた状態,タイプⅡは上方関節唇の損傷と上腕二頭筋の剝離が起きた状態,タイプⅢは関節唇がバケツの柄様に剝がれてしまった状態,タイプⅣは関節唇がバケツの柄様に剝がれ,上腕二頭筋腱にまで損傷が及んでしまった状態であり,タイプⅢ,Ⅳは観血的治療がなされることが多い.

 関節唇の主な役割は,関節の安定化,関節運動の円滑化,衝撃吸収にと働き,さらに,メカノレセプターに富んでいるため,構造的な役割だけではなく,関節窩と骨頭との位置関係を把握するセンサーとして働いていると考える.

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はじめに

 入谷式足底板は,体幹軸を中心にどちらかに重心の偏りがないかをみることを重要視している.以前よく経験したことであるが,インソールを作製した直後はよい結果が出ても,作製して1週間経つとまた元の状態に戻ってしまうということがあった.筆者は長い年月を経て,局所的な考え方だけではなく,体幹に目を向けるようになった.身体重心位置のズレに着目し,体幹軸を中心に重心の偏りがないか,身体アライメント,身体の姿勢緊張をみることは,長くインソールの効果を維持させるという意味では重要であり,このような考え方で臨床へ向き合うと,明らかに持続性が得られるようになってきた.

 アキレス腱炎およびアキレス腱周囲炎,アキレス腱付着部炎の観察において重要な点は,足部構造が強固なタイプと柔軟なタイプがあり,各々のタイプのメカニカルストレスを減じることである.強固な足部では後足部がかなり回外位にあり,柔軟な足部では後足部がかなり回内位にある.この点については後述する.

 本稿ではアキレス腱炎のメカニカルストレスについて論述し,その評価方法や入谷式足底板の処方の仕方,テーピングの方法,トレーニング方法について述べることとする.

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はじめに

 スポーツにおいて,1回の大きな外力によって発生したものが「スポーツ外傷」,繰り返す小さな外力によって発生したものが「スポーツ障害」であり,外傷であれば教科書的な治療によってその多くは対処が可能である.一方,繰り返す外力がその組織の強度や耐久性を上回った場合に発生するスポーツ障害においては,それぞれのスポーツ動作によって生じる外力(外的要因)と,身体組織の強度・耐久性の不足やアライメント異常などといった選手個々の問題によって生じた外力(内的要因)の両面を捉える必要がある1).特に下肢スポーツ障害は,荷重下の「下肢関節」と「骨盤帯-体幹(内定要因)」の位置により,大きな力学的関節ストレスが繰り返される場合に形成される.本稿では,下肢スポーツ障害の内的要因を力学的な視点から捉え,その評価と治療・予防について解説する.

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はじめに

 スポーツ選手の腰痛治療および予防を考えるにあたっては,腰部へのストレス集中のメカニズムを見極め,その原因を取り除くことが不可欠である.腰痛発生の要因として,練習環境やサーフェス,用具,練習量,練習内容などの外的要因と,アライメントや筋力,柔軟性といった内的要因が関与する.同じ環境で同じ練習を行っており,外的要因を共有する同一チームにおいても,内的要因の相違により腰痛罹患者と非罹患者とに分かれる.本稿では,このうち内的要因のみについて記述する.

 内的要因に着目した腰痛予防策を立案するためには,罹患者と非罹患者を分ける要因を理解し,罹患者となる要因を排除する方策を考えなければならない.そして,治療の過程をできる限り一般化かつ簡略化し,多人数で実施可能な「腰痛予防プログラム」を日常の練習に組み込まなければならない.さらに,日常的なスクリーニングにより,発症リスクの高い選手を抽出し,発症前に個別プログラムを適用することが望ましい.

 数多くのスポーツ種目があるなかで,スポーツ選手全般の腰痛予防効果に関するエビデンスは不足している.本稿では,今後の腰痛研究の叩き台として,筆者が臨床および予防において考慮している点を記載するとともに,スポーツ現場で実施可能な腰痛予防策案を紹介する.

とびら

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 2015年は5月のゴールデンウィークと9月のシルバーウィークの2回,ネパールを訪問しました.1986年に青年海外協力隊隊員としてネパールに赴任して以来,ネパール訪問は20回以上に及びます.しかし,この2回の訪問は,それまでの訪問とは違った意味がありました.というのも2015年4月25日にこのヒマラヤの国はM7.8の大地震に襲われたからです.私にとって,ネパールは最初の海外渡航先でしたが,文字通り第2の祖国となっています.当初この開発途上国のために何か役に立つことができたらという思いで青年海外協力隊に参加しましたが,逆に,任期中ネパールの人々に支えられ,毎回多くのことを教えられています.

 さて,5月に首都カトマンズに向かった飛行機の中では,日本人と思われる人はおよそ半数でしたが,そのほとんどが制服を着た自衛官でした.私は発災後1週間という早い時期に入国したので,まず,情報収集のためにコミュニティ・ベースド・リハビリテーション(CBR)に携わっている旧知を訪ねてみました.そして彼と一緒に古都バクタプールの街中を歩き,被害および支援状況を確認しました.そのときの彼のひと言が心に残っています.「街では,死者も出て家屋も多く破壊された.確かにこの震災は不幸な出来事には違いないけれども,同時に復興につながる光も感じた.それは,灯りのない夜にお金のある人もない人も,そして,カーストの高い人も低い人も同じ釜から食事をとり,同じ場所で眠ったことである」.

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 2015年に「理学療法50年のあゆみと展望—新たなる可能性への挑戦」をテーマとした「第50回日本理学療法学術大会(内山靖大会長)」が東京において開催されました.先達が築き上げてこられた50年の歴史の重さを感じるとともにそれを引き継ぐべき責任,そして国際的にメジャーな講師陣による多くの講演,今後始まる日本理学療法士学会が船出するワクワク感,多くの企業展示などすべてが印象深く,お腹一杯な記念学会でした.

 そして,2016年5月27日(金)から29日(日)は北海道において,新たな歴史,次の半世紀,50年後への最初の一歩となる第51回日本理学療法学術大会(以下,本大会)が開催されます.

新人理学療法士へのメッセージ

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 2016年春,国家試験に合格された新人理学療法士の皆さん,おめでとうございます.

 それぞれの新しい人生がスタートし,夢や希望に満ちあふれているのと同時に,新しい環境での不安や緊張で複雑な心境のころと思います.これは皆さんだけに限ったものでなく,入職したばかりのころは私もそうであり,きっと多くの先輩方も同じような心境にあったと思います.焦らず少しずつ前に進んでいきましょう.

甃のうへ・第36回

おもんばかる 伊藤 郁恵
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 幼いころから屁理屈で,そのくせ人見知りする子で,今も性格は直りませんが,ここまで自由に生きてこられたのは温かく見守ってくれる人たちに出会ってきたからだと思います.理学療法の道に入ってからも,目標となる理学療法士やさまざまな病気の人たちにたくさん出会い,自分の将来像がみえてきました.

 はじめ慢性期病院に就職してたくさんのことを教えてもらいましたが,急性期で働きたいと思うようになり1年弱で退職し,今の職場に入職しました.今考えるとありえない行動ですが,そのころは治療ができる理学療法士になるには何が必要なのかと必死でした.

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

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 うつ病は,気分障害の一種であり,抑うつ気分,意欲・興味・精神活動の低下,焦燥,食欲低下,不眠,持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害であり,96万人が罹患しているといわれている(厚生労働省平成23年度データ)1)

 現在,うつ病の治療経過を追うための指標としてうつ性自己評価尺度(Self-rating Depression Scale:SDS)がよく知られる(表).1965年にDuke大学のZungによって考案されたSDSは,うつ病患者のうつ症状の程度を評価することを目的に開発された自己評価尺度であり,精神医学における臨床や研究の場面で最も多く用いられるものの1つである.日本語版は東北大学の福田と筑波大学の小林により翻訳・再構成されて三京房から発行されている2)

1ページ講座 理学療法関連審議会・協議会

日本障害者協議会 小川 克巳
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 特定非営利活動法人日本障害者協議会(NPO Japan Council on Disability:JD)は,国連が指定した1981年の国際障害者年を推進するために有志団体が集まって結成した「国際障害者年日本推進協議会」を基盤としている.「国連・障害者の十年」が終了した1993年4月を契機に,「完全参加と平等」をテーマとした諸活動を継続し具体化することを目的として「日本障害者協議会」と名称を改めて新たにスタートした(表1).

 その構成団体は,障害者関係団体をはじめ,日本理学療法士協会など関連する専門職団体を加えて,2016年4月現在で合計61団体にのぼっている.

入門講座 症例を担当するということ・3

生きた情報収集 羽田 晋也
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はじめに

 現行の医療・介護保険制度では,急性期・回復期・生活期という機能分化型のリハビリテーションが確立しており,各時期の連携を深め,継ぎ目のない理学療法の実現が望まれていることは周知のとおりである.厚生労働省は,2025年(平成37年)を目途に「医療」,「介護」,「保健・予防」,「生活支援サービス」,「住まいと住まい方」を5つの柱とした,地域包括ケアシステムの構築を推進している.これは,高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援という目的のもとで,可能な限り住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるための,地域の包括的な支援・サービス提供体制のことである.

 諸外国に例をみないスピードで高齢化が進行している日本では,理学療法の対象疾患である脳血管障害や脊髄損傷,大腿骨頸部骨折,変形性関節症,呼吸器疾患,心疾患などにおいて,高齢であるがゆえに認知症や慢性疾患など複雑かつ多様化した合併症を抱えている症例も多く存在する.この現実は,各種疾患別の診療ガイドラインや理学療法診療ガイドラインを参考にしながらも,より個別性を重視した対応が必要であることを意味しているのではなかろうか.

 症例を担当する際には,対象者やその家族との信頼関係,医師や看護師,作業療法士,言語聴覚士,医療ソーシャルワーカーといった多職種との連携は必要不可欠となる.理学療法士の情報収集は,発症・受傷前のADLはもちろんのこと,姿勢や痛み,住宅および近隣を含めた生活環境,社会生活や活動性など多岐にわたる.それぞれの専門分野から得た情報は,症例を担当するチームとして集約・共有し,対象者と家族も交えて今後の目標を検討することで,初めて「生きた情報収集」となる.

講座 行動経済学・1【新連載】

行動経済学とは 高橋 英彦
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はじめに

 まず,精神科医である筆者がなぜ,このようなテーマの研究に携わるようになったかの経緯を示しておきたい.人間の精神活動は,知・情・意とも呼ばれる.知とは,読み・書き・そろばんのような伝統的にはどちらかというと臨床神経学や神経心理学が扱ってきたテーマである.一方,情(情動・感情)や意(意志,意思決定,意欲,意識)といった主観的体験を扱うのが,主として精神医学といえる.

 筆者は狭義の精神疾患のほか,脳外科や神経内科との境界領域である脳損傷,神経変性疾患,てんかんなどの診療に従事し,知,つまり記憶や言語機能には目立った異常が認められないが,なんとなく社会生活がうまくいかず,社会復帰が困難な症例を何例も診てきた.この“なんとなく”をきちんと評価して何が起こっているのか理解して社会復帰につなげられないものかと感じるようになった.

 おそらく,このような問題意識は精神科医の筆者だけでなく,精神科ならびに身体的リハビリテーションに携わる多くの職種の方が感じられているのではないであろうか.この“なんとなく”が,まさに情(情動・感情)や意(意志,意思決定,意識)であると考えるようになった.

 しかし,情動,意思決定,意識といった主観的な体験を血液検査やX線のように客観的に評価することは困難であり,患者の自己陳述や表層的な行動観察に依存せざるを得ないところがある.これはすなわち,現在の精神疾患の診断基準についても同じことがいえ,精神疾患の診断基準は生物学的な知見に裏打ちされたものではなく,多様な症状の組み合わせの症候群である.例えば,うつ病という診断1つをとっても,さまざまなバックグラウンドやサブタイプが想定される.そのような状況で,遺伝子などの生物学的データと診断(病名)とを対応させようとしても困難が待ち構えているのは予想される.

 精神疾患は,その定義上,なんらかの行動異常がある.多かれ少なかれ,精神疾患においてはその異常な行動を選択する1つ前のプロセスに意思決定の障害があると想定される.意思決定とは,複数の選択肢からある選択肢を選ぶプロセスである.レストランで何を食べるか,テレビでどのチャンネルを見るか,週末にどこへ遊びに行くかと決めることは意思決定であり,このように非常に日常的な話題である.そのため多くの学問が意思決定をテーマとして扱ってきた.特に経済学は意思決定のプロセスを客観的,定量的に記述できる理論やツールがあることに,筆者は魅力を感じていた.

 欧米では,こうした文理横断的かつ学際的な研究が強力に推進されている.しかし,日本では理系,文系と高校生ごろから進路が分かれ,大学に入っても入学直後の異分野の重要性に気づかない時期に,教養課程で少し異分野の科目を選択する程度である.プロフェッショナルとして進路が決まってくる時期には縦割りの弊害で,異分野のことを勉強しにくい環境にあるといえる.筆者は今では,心理学,経済学といった人文社会系の研究者と共同研究をさせてもらっているが,自分が医学部生のときには,医学との接点が想像できずに真面目に授業に出ていなかった.今ではこうした学問を教養課程の比較的時間にゆとりのある時期にもっと勉強しておけばよかったと後悔している.

 そうした折に,当時筆者が勤務していた病院の理学療法士,作業療法士の方たちが,筆者が意思決定に関する研究を準備していることを聞きつけ,彼らが学生時代にお世話になった意思決定の研究をされている心理学の先生を紹介してくださり本格的に意思決定の学際的研究を始めることができた.そういった意味では本誌にこのように寄稿させていただくのは感慨深い.

 その後,意思決定の研究をさらに深めたいと,あえて医学部のないカリフォルニア工科大学(Caltech)に留学することにした.医師としては,医学部でない研究室に留学することのデメリットもあったかもしれないが,筆者は結果的にはメリットのほうが大きかったと思っている.Caltechの神経科学コースでは,こじんまりしたキャンパスという特徴も生かし,生物学はもちろん,心理学,経済学,哲学,コンピュータサイエンス,工学などの一流の研究者が,脳神経,あるいは究極的には“人間とはなんぞや”という問いに向かって学際的研究を強力に推進している.Caltechの行動経済学,神経経済学の泰斗であるColin Camerer教授が書かれた行動経済学,神経経済学の分野を精神科臨床に応用する可能性を示した総説1)を読んで,Camerer教授と意気投合して,帰国後も共同研究を続けている.

 このように筆者は精神科医としての疑問や限界を感じて意思決定の研究を行うために経済学に少し携わった程度なので,行動経済学という本来は経済学のテーマを,教科書のように漏れなく正確に記載していくのは自身の能力を超えている.本稿では,行動経済学ならびにその神経基盤を探求する神経経済学を精神科医の立場で概説したい.

臨床実習サブノート 臨床実習で患者さんに向き合う準備・12

脊柱管狭窄症 宮田 伸吾 , 寺田 茂
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はじめに

 脊柱管狭窄症は脊柱管,神経根管あるいは椎間孔が骨性または靱帯性要因によって狭小化するために馬尾神経や神経根が障害されてさまざまな症状を呈する病態の総称である1).原因には先天性と後天性があるが,加齢によって起こる退行性のものが多い.脊柱管狭窄症は頸椎や腰椎で起こり,頸椎の場合は頸椎症性脊髄症を指すことがあり,本稿では臨床で担当する機会の多い腰部脊柱管狭窄症を取り上げる.

 腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く,身体・認知機能が低下している症例や画像による狭窄部位と神経学的所見が一致しない場合2)があり,臨床での評価や治療を困難にする要因と考える.また治療としては保存療法や手術療法が行われ,理学療法の対応も異なる.本稿ではこれらのことを踏まえながら,臨床実習に必要な知識や準備について述べたい.

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要旨 重症肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)患者に対する理学療法の有効性について検討するために,New York Heart Association(NYHA)機能分類Ⅲ-Ⅳ度の重症PAH患者の入退院時における心肺機能や活動能力を比較検討した.重症PAH患者は罹患歴が長く,複数の合併症を有しており,入院時ADL能力や心肺機能は有意に低下していた.活動性の低下やADL障害に影響している要因を評価し,呼吸循環動態のモニタリングを行いながら理学療法や生活指導を実施した結果,理学療法介入による有害事象を認めず,退院時には経皮的動脈血酸素飽和度(peripheral arterial oxygen saturation:SpO2),脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide:BNP),平均肺動脈圧(mean pulmonary arterial pressure:mPAP),NYHA機能分類,歩行可能率,ADLが有意に改善した.

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次号予告

文献抄録

編集後記 福井 勉
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 本特集はエキスパート特集である.本誌の特集としては比較的珍しいといえる.われわれの技術の基盤にあるものは個々の理学療法士の技術の積み重ねである.初学者とエキスパートの間にある厳然とした技術差について見逃すわけにはいかないことを念頭に特集を企画させていただいた.本特集では主としてスポーツ分野の方に執筆していただいたが,この考えには背景がある.理学療法士のさまざまな分野の中で医療職以外の他職種と最も混在した分野であると考えたからである.怪我や障害があっても医療機関を受診しないスポーツ選手は数多い.それは確かにわが国における起源を別とする資格制度も影響している.しかしながら選手が最終的に頼るのは資格ではなく「結果」なのである.

 本特集で選別させていただいた執筆者は間違いなくわが国を代表する方々である.すべての方がスポーツにおけるパフォーマンス向上に寄与すべく独自の考え方を発展させてこられた.この独自の考え方であることは特に重要である.誰かの真似をしてきた方々ではない.自らの知覚を優先しその評価や治療をつくりあげてきたのである.

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基本情報

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理学療法ジャーナル
50巻5号 (2016年5月)
電子版ISSN:1882-1359 印刷版ISSN:0915-0552 医学書院

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