特集 被殻出血と理学療法
被殻出血にみられる病態
山本 幸夫
1
,
尾谷 寛隆
1
,
上原 敏志
1
Yukio Yamamoto
1
1国立循環器病研究センター脳血管リハビリテーション科
キーワード:
大脳基底核
,
投射線維
,
神経症候
,
急性期治療
,
血腫量
Keyword:
大脳基底核
,
投射線維
,
神経症候
,
急性期治療
,
血腫量
pp.625-631
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200598
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はじめに
『脳卒中データバンク2015』1)によると,脳出血は脳卒中全体の18.5%を占め,脳梗塞は75.9%,クモ膜下出血は5.6%を占める.脳出血の部位別での割合は,被殻29%,視床26%,皮質下19%,脳幹9%,小脳8%であり,被殻出血の占める割合が最も多い2).したがって,脳卒中リハビリテーションに携わる理学療法士であれば,被殻出血患者を担当することは少なくない.
また,発症年代別にみると,被殻出血は50歳未満で発症する割合が高いことより2),発症年齢が比較的若い傾向があるのも特徴であり,社会復帰などを考えた際には理学療法士の果たす役割は大きい.
本稿では,被殻出血患者の理学療法を実施するうえで踏まえておくべき被殻周囲の解剖・生理学について概説し,その後被殻出血にみられる神経症候,急性期治療および急性期理学療法の留意点について解説する.
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