特集 運動器疾患—エキスパートはこうみる
関節唇損傷と肩関節動作
山口 光國
1
Mitsukuni Yamaguchi
1
1有限会社セラ・ラボ
キーワード:
関節窩面調整機能
,
腱板機能
,
運動抑制
,
相対的位置関係
Keyword:
関節窩面調整機能
,
腱板機能
,
運動抑制
,
相対的位置関係
pp.455-466
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200551
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関節唇損傷に対するセラピーの基本的な考え方
関節唇損傷,特に上部関節唇損傷はSLAP(superior labrum anterior and posterior)とされ,損傷の状態により4つに分類される.タイプⅠは関節唇辺縁が擦り切れた状態,タイプⅡは上方関節唇の損傷と上腕二頭筋の剝離が起きた状態,タイプⅢは関節唇がバケツの柄様に剝がれてしまった状態,タイプⅣは関節唇がバケツの柄様に剝がれ,上腕二頭筋腱にまで損傷が及んでしまった状態であり,タイプⅢ,Ⅳは観血的治療がなされることが多い.
関節唇の主な役割は,関節の安定化,関節運動の円滑化,衝撃吸収にと働き,さらに,メカノレセプターに富んでいるため,構造的な役割だけではなく,関節窩と骨頭との位置関係を把握するセンサーとして働いていると考える.
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