特集 運動器疾患—エキスパートはこうみる
下肢スポーツ障害の予防と動作の見方
尾崎 純
1
,
嵩下 敏文
1
,
脇元 幸一
1
Jun Ozaki
1
1医療法人社団SEISEN清泉クリニック整形外科
キーワード:
運動連鎖
,
関節モーメント
,
脊柱機能障害
Keyword:
運動連鎖
,
関節モーメント
,
脊柱機能障害
pp.481-487
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200553
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はじめに
スポーツにおいて,1回の大きな外力によって発生したものが「スポーツ外傷」,繰り返す小さな外力によって発生したものが「スポーツ障害」であり,外傷であれば教科書的な治療によってその多くは対処が可能である.一方,繰り返す外力がその組織の強度や耐久性を上回った場合に発生するスポーツ障害においては,それぞれのスポーツ動作によって生じる外力(外的要因)と,身体組織の強度・耐久性の不足やアライメント異常などといった選手個々の問題によって生じた外力(内的要因)の両面を捉える必要がある1).特に下肢スポーツ障害は,荷重下の「下肢関節」と「骨盤帯-体幹(内定要因)」の位置により,大きな力学的関節ストレスが繰り返される場合に形成される.本稿では,下肢スポーツ障害の内的要因を力学的な視点から捉え,その評価と治療・予防について解説する.
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