JOHNS 38巻12号 (2022年12月発行)

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特集　チームで支える頭頸部癌診療

チームで行う頭頸部癌の手術治療

頭頸部癌の再建手術　耳鼻咽喉科頭頸部外科の立場から向川　卓志 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1527-1530

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はじめに

　頭頸部癌の再建手術は，最もチーム医療が必要とされる外科的治療の1つと言える。

頭頸部癌の再建手術　形成外科の立場から松本　洋 , 太田　智之 , 木股　敬裕 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1531-1533

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はじめに

　頭頸部領域は呼吸，摂食，会話，顔貌など日常生活を営む上で非常に重要な臓器が集中している。そのような領域に生じたがんの治療においては多職種によるチーム医療が必須であり，多くの施設でその取り組みがなされてきている^1～4）。岡山大学病院においても2012年4月に多職種連携の理念の下，岡山大学病院頭頸部がんセンターが発足し，医科歯科や診療科，関連部署の垣根を越えた診療をおこなっており^1），われわれ形成外科医もセンター内でがん治療の一翼を担っている。

頭頸部癌の再建手術　消化器外科の立場から渡邊　雅之 , 栗山　健吾 , 蟹江　恭和 , 丸山　傑 , 坂本　啓 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1535-1537

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はじめに

　頭頸部癌に対する咽頭喉頭食道全摘術または喉頭温存頸部食道切除術後の消化管再建の第一選択は遊離空腸移植術である。遊離空腸による再建においては，頭頸部外科，消化器外科，形成外科による連携が極めて重要と考えられる。本稿では，遊離空腸再建におけるチーム内での消化器外科の役割について概説する。

頭頸部癌の頭蓋底手術　外切開手術―耳鼻咽喉科頭頸部外科の立場から角木　拓朗 , 小川　武則 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1538-1542

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はじめに

　頭蓋底浸潤頭頸部癌の治療法は，大きな変遷を迎えている。古くから行われている開頭頭蓋底手術に加えて，内視鏡頭蓋底手術の適応拡大，さらには非手術治療において，シスプラチン併用化学放射線治療，超選択的動注化学放射線治療（RADPLAT）が行われ，放射線治療では強度変調放射線治療（IMRT）や粒子線治療，再発癌に対する，ホウ素中性子捕捉療法（BNCT），頭頸部アルミノックス治療，免疫チェックポイント阻害薬，分子標的薬などの薬物療法と多くの新治療が保険適用となっている。頭蓋底浸潤癌においてもこれらの新治療を適切に用い，さらに組み合わせることで生命予後とQOL向上が期待できる新時代を迎えているが，手術治療が根治治療の柱となっている点は変わらない。

頭頸部癌の頭蓋底手術　外切開手術―脳神経外科の立場から菅原　貴志 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1543-1546

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はじめに

　頭頸部癌は鼻副鼻腔，側頭下窩，外耳道などに発生し，頭蓋骨に下方より接したり，頭蓋内伸展することがある。この場合，摘出の際に十分なマージンを確保するために開頭による頭蓋内からの操作が必要になる。ここでは，脳神経外科の立場から鼻副鼻腔・側頭下窩悪性腫瘍摘出における，開頭による頭蓋内からの手術手技に関して述べる。紙面の制限により外耳道癌に関しては他稿を参照されたい。

頭頸部癌の頭蓋底手術　外切開手術―形成外科の立場から中川　雅裕 , 石井　義剛 , 安永　能周 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1547-1551

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はじめに

　頭蓋底手術における形成外科の役割は，大きく整容性を考量した頭蓋底へのアプローチと頭蓋底切除後の頭蓋底再建の2つがある。今回は頭頸部癌の頭蓋底手術における形成外科の役割について解説する。

頭頸部癌の頭蓋底手術　経鼻内視鏡手術―耳鼻咽喉科頭頸部外科の立場から小林　正佳 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1552-1557

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はじめに

　鼻内内視鏡手術は数々の支援機器の開発とそれらを駆使した術式の工夫により年々進歩し，従来の難治性副鼻腔炎から良性腫瘍，そして悪性腫瘍へと適応疾患が拡大した。その結果，従来顔面外切開が必要であった頭蓋底手術は，症例によっては鼻内内視鏡手術の併用，あるいは内視鏡単独手術で根治切除することが可能になった。これは顔面切開による審美性低下の回避だけでなく，術後の早期回復と放射線照射などの術後治療の早期開始に寄与している。

頭頸部癌の頭蓋底手術　経鼻内視鏡手術―脳神経外科の立場から阿久津　博義 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1559-1563

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はじめに

　近年の経鼻内視鏡手術技術の進歩に伴い，頭頸部癌に対する経鼻内視鏡手術の適応は拡大してきている^1～9）。頭頸部癌はいうまでもなく耳鼻咽喉科疾患であるため，治療の主体は耳鼻咽喉科医が担うが，病変が頭蓋底に進展している場合には脳神経外科医がサポートすることで，硬膜切除・硬膜内腫瘍切除・硬膜再建に関しての安全性や根治性を高めることができると考えている。その場合に，普段から耳鼻咽喉科医と脳神経外科医とのチーム医療が確立されていれば，スムーズな連携をしやすい。

頭頸部癌の経口切除術　耳鼻咽喉科頭頸部外科の立場から酒井　昭博 , 戎本　浩史 , 大上　研二 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1564-1568

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はじめに

　現在，頭頸部領域における低侵襲手術として，quality of survival（QOS）を重視した経口的切除術が発展しつつある。経口的切除の方法としては，本邦ではEndoscopic Laryngo-Pharyngeal Surgery（ELPS）^1,2）やTransoral Videolaryngoscopic Surgery（TOVS）^3,4）が主に行われてきたが，2022年より保険収載されたTransoral Robotic Surgery（TORS）^5,6）も急速に普及してきている。

頭頸部癌の経口切除術　消化器内科の立場から堅田　親利 , 岸本　曜 , 清水　孝洋 , 二階堂　光洋 , 横山　顕礼 , 武藤　学 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1569-1571

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はじめに

　頭頸部癌は，自覚症状を契機に発見されるため，進行癌で発見されることが多く，侵襲の大きな外科手術や化学放射線療法が標準的な治療である。近年，高画質の消化器内視鏡，narrow band imagingのような画像強調法，拡大内視鏡が開発され，消化器内視鏡検査時に頭頸部領域から表在癌が発見されるようになった^1～5）。また，画像強調法は耳鼻咽喉科用内視鏡でも使用できるようになり，耳鼻咽喉科診察時に頭頸部表在癌を発見する機会が増えた^6,7）。

チームで行う頭頸部癌診療の多職種連携

放射線治療医の立場から小林　玲 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1572-1575

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はじめに

　頭頸部癌に対する放射線治療は根治的治療において重要な役割を担っている。本稿では，根治的放射線治療について適応や照射方法，治療のながれ，有害事象，多職種との関わりを中心に概説する。

腫瘍内科医の立場から田中　伸和 , 岡野　晋 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1576-1579

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はじめに

　国立がん研究センター東病院は日本有数の頭頸部癌症例数を有し，頭頸部外科，頭頸部内科，放射線治療科が中心となって頭頸部癌診療を提供しているが，各科のみで治療方針が決定されるのではなく，各専門科の立場や視点から意見を出し合い，最良の治療を提案できるような体制づくりがなされている。本稿では，当院における多職種連携について，そして腫瘍内科医の役割について述べる。

がんゲノム医療の立場から安藤　瑞生 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1580-1584

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開始後3年が経過したがんゲノム医療

　本邦のがんゲノム医療の基本方針は，2017年にがんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会（厚労省）において示された。2018年のがん対策推進基本計画（第3期）では，「ゲノム医療を必要とするがん患者が，全国どこにいてもがんゲノム医療を受けられる体制を段階的に構築する」方針を示しており，これらに基づいてがんゲノム情報管理センター（C-CAT：Center for Cancer Genomics and Advanced Therapeutics）が国立がん研究センターに設置され，全国のがんゲノム医療中核拠点病院等とともに，がんゲノム医療情報の集約・保管，保険診療の質の向上，新たな医療の創出を目指すこととなった。

緩和ケア医の立場から田中　桂子 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1585-1588

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頭頸部癌患者における緩和ケアの重要性

1．頭頸部癌の特徴と患者背景

1）頭頸部癌の特殊性^1）

　頭頸部癌は，がん全体から見ると罹患数は多くはないが，発生部位や進行の特殊性から “厄介な” 症状や障害が生じるため，緩和ケアが重要な役割を果たす。

精神腫瘍科医の立場から明智　龍男 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1589-1592

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はじめに

　2002年に精神科医の参加を必須とする “緩和ケアチーム” に対しての緩和ケア診療加算が導入され，2007年には，がん対策基本計画の中で，がん医療への “精神腫瘍医” の参画の重要性が盛り込まれた。これらを受けて，わが国においても多職種から構成される緩和ケアチームを院内に設置する施設が増加した。

骨転移診療の立場から篠田　裕介 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1593-1597

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骨転移診療の目標

　骨転移は遠隔転移であるため，骨転移がある患者で根治を目指すことは難しい。骨転移そのものが生命予後に影響を与えることは少ないが，ADLやQOLに大きな影響を与える可能性があるため，きちんと経過を確認し，必要な治療を行わなければならない。骨転移によって問題になるのは，疼痛，骨折，麻痺，高Ca血症であり，生きている間にこれらを生じることなく運動機能を維持し続けることが骨転移診療の目標である。

顎顔面補綴の立場から隅田　由香 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1599-1604

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はじめに

　厚生労働省ホームページによると，チーム医療とは「医療に従事する多種多様な医療スタッフが，各々の高い専門性を前提に，目的と情報を共有し，業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い，患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」とされている^1）。

口腔ケアの立場から上野　尚雄 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1605-1607

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はじめに

　頭頸部癌患者には，さまざまな口腔のトラブル，有害事象が少なくない頻度で生じる^1）。口腔の問題は患者のQOLに直結し，また時には円滑ながん治療の妨げともなる。また治療の内容によっては，治療後も口腔内の形態変化や機能の低下，口腔乾燥や顎骨壊死といった晩期障害による口腔の諸問題のリスクが半永久的にあり，サバイバーとしてのQOLに大きく関わる。

栄養管理の立場から青山　真弓 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1608-1612

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はじめに

　頭頸部癌患者は，口腔・咽頭など経口摂取を行う上で重要な部位に病変があることから，早期より十分な食事摂取量が確保できていないことが多い。口腔・咽頭の形態変化や運動機能を障害させる外科的侵襲，口腔・咽頭に高度の粘膜炎や唾液分泌の低下をきたす化学放射線療法により，治療後における嚥下障害の発現は高頻度であると報告されている^1～4）。また，化学放射線療法による晩期の有害事象として，皮膚の線維化と乾燥，唾液分泌障害，喉頭挙上障害，粘膜の知覚障害，咽頭収縮筋の線維化による咽頭拡張障害などにより，治療終了後半年から数年後に発生する嚥下障害も存在する^5～7）。よって，頭頸部癌患者は，治療開始前から終了後も長きに渡り，低栄養のリスクが高いと言える。

看護師の立場から宮下　陽子 , 石井　美紀 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1613-1616

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はじめに

　頭頸部癌患者は疾患の進行度や全身状態だけでなく，社会経済的な背景も多様であるため，こうした多様性に配慮した看護を実践する必要がある。また，quality of lifeを可能な限り維持するために看護師が果たす役割は大きい。当院では治療開始前にがん看護相談を行っており，治療法の選択においては根治性だけではなく臓器温存や整容面に対する患者および家族の考えを整理し，医師と連携して意思決定支援を行う取り組みを開始した。また，摂食・嚥下機能障害や失声など日常生活への介入と退院支援，がん薬物治療の進歩に伴って多様化した有害事象に対する患者教育など，がん看護相談での支援は多岐にわたる^1）。

薬剤師の立場から鈴木　真也 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1617-1621

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はじめに

　2006年より日本病院薬剤師会ががん専門薬剤師制度の認定制度を開始して以来，がん領域における薬剤師の臨床活動は活発になった。私はがん専門薬剤師として国立がん研究センター東病院（以下，当院）の初代病棟薬剤業務主任を担い頭頸部癌領域を担当している。病院規模や薬剤部の方針などで多職種連携への薬剤師の関与はさまざまであろうが，頭頸部癌診療に関わる先生方にその有用性を感じていただけるように業務内容を説明する。

言語聴覚士の立場から神田　亨 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1623-1629

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はじめに

　私は医療に携わるようになってから，つくづく思うことがある。それは，もし自分や家族が病気に罹患し治療を受けなければならなくなったならば，多職種チーム医療がしっかり実践できている病院で治療を受けたいと思うことである。

アピアランスケアの立場から野澤　桂子 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1630-1633

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はじめに

　顔は，人体の面積の4.5％にすぎない。しかし，顔は，生物維持に重要な機能を集めているだけでなく，人種・性別・年齢・体調・感情状態などの多くの情報を示し，人間が社会生活を営む上で個人を同定するための最も重要な身体部位である。そのため，頭頸部癌は，治療後も，“機能障害” と “隠せない容貌変化” という2つの社会生活上のハンディキャップが継続することが最大の特徴である^1）。とりわけ，Teoら^2）によれば，最も苦痛なのは外見の変化とそれによる社会的影響であり，外見の苦痛は機能的苦痛より変動が大きい。

連載　古典あれこれ

Tenuta Mazzolinoの丘に続く道―ラセン器の名称となったCortiの研究の歩み― 細谷　誠 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1634-1638

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Tenuta Mazzolino

　伝統的に土着品種の使用が重視されるイタリアワイン。ピノ・ノワール，シャルドネ，カベルネ・ソーヴィニヨン，メルロー，シラー，リースリング，ソーヴィニヨン・ブラン，この7種類のブドウ品種がメインとなるフランスワインと異なり，イタリアワインには主要なものだけで優に100種を超える土着品種が存在し，その数は500にも達すると言われている。そのような土着品種を大事にするイタリアワインの産地の中でも国際品種と言われるフランス系のブドウ品種が存在感を放つ地域がある。オルトレポー（Oltrepo）DOCはその1つである。

連載　私のこの1冊

Atlas of Otologic Surgery 小川　洋 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1639-1641

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　今回執筆依頼を受け光栄であると同時に戸惑いを隠しきれません。といいますのもこのコーナーの執筆者がそれぞれの領域でご高名な先生方ばかりであるからです。本当に私でのよいのかと思いながら執筆をお引き受けすることにしました。私は現在福島県会津若松市（戊辰戦争で敗北し悲惨な結末を迎えた白虎隊や野口英世博士の生誕地である猪苗代町に隣接する都市）にある福島県立医科大学（以下福島医大）会津医療センター耳鼻咽喉科に勤務しています。今年の3月で還暦を迎えました。耳科手術，鼻科手術を専門領域として耳科手術暫定指導医，鼻科手術指暫定導医として学会の認定を受けております。

連載　外来診療に役立つ機器・材料・薬剤

睡眠時無呼吸の簡易検査と精密検査小林　祐太 , 安達　美佳 38巻12号 , 2022年12月 , pp.1642-1645

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はじめに

　閉塞性睡眠時無呼吸（OSA）は成人では多彩な病態と関連し，日中傾眠による産業事故のリスクファクターとしても重要である。小児では成長障害，学習障害，行動障害も引き起こす。成人，小児とも有病率は高いが，診断・治療に至らない症例も多い^1）。その診断に，外来で行う簡易検査（簡易モニター）による検査施設外睡眠検査（out of center sleep testing：OCST）は重要である。

基本情報

JOHNS
38巻12号
(2022年12月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0910-6820 東京医学社

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