特集 全身疾患と口腔咽頭病変
感染症
単純ヘルペスウイルス感染症
大塚 雄一郎
1
Yuichiro Ohtsuka
1
1千葉市立海浜病院耳鼻咽喉科
キーワード:
単純ヘルペスウイルス感染症
,
咽頭炎
,
歯肉口内炎
Keyword:
単純ヘルペスウイルス感染症
,
咽頭炎
,
歯肉口内炎
pp.679-683
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000633
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はじめに
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:以下HSV)は口腔咽喉頭,性器,角膜,皮膚,脳脊髄など全身に病変をきたし,診療科も耳鼻咽喉科,内科,小児科,新生児科,産婦人科,神経内科,皮膚科,眼科と幅広い。ウイルス感染症としてあまりにも有名であるが,HSV感染症の口腔咽喉頭の臨床像は必ずしも正確に周知されておらず,正確な診断方法もあまり知られていない。HSV感染症には初感染型と再活性化があり,再活性化では口角炎・口内炎など軽い症状で済むことが多いのに対して,初感染型では口腔咽喉頭のアフタ・潰瘍を生じて重症化することがある。初感染型の口腔咽喉頭のHSV感染症は主に歯肉口内炎型と咽頭扁桃炎型の2つに分類されているほか,伝染性単核球症類似症状も報告されている1~4)。
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