特集 処置や手術に必要なインフォームド・コンセント
【頭頸部の治療に対するインフォームド・コンセント】
がま腫に対するOK-432注入療法
鈴木 貴博
1
,
太田 伸男
1
Takahiro Suzuki
1
,
Nobuo Ota
1
1東北医科薬科大学医学部耳鼻咽喉科
キーワード:
インフォームド・コンセント
,
がま腫
,
OK-432
,
舌下腺摘出術
Keyword:
インフォームド・コンセント
,
がま腫
,
OK-432
,
舌下腺摘出術
pp.565-568
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001591
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がま腫に対する治療の概要
1.OK-432の作用機序とその臨床応用
OK-432は溶連菌Su株をペニシリンで不活化した製剤で,元々はがんの免疫療法薬として開発された薬剤である。OK-432の作用機序は,囊胞内でIL-6,IL-8,IFN-γ,TNF-αなどの種々のサイトカインが産生されこれらのサイトカインは囊胞壁に強い局所炎症反応を引き起こし,好中球や単球などの炎症細胞が囊胞内に浸潤し1),その結果,貯留液の排出,囊胞の収縮や線維性癒着をもたらす2)。この特性により,がん性腹膜炎や胸膜炎に対してOK-432を局所注射すると腔内の癒着を促し胸水・腹水を減少させる効果が確認されており,臨床において広く使用されている。

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