特集 意外と知らないステロイドの知識
知っておくべきステロイドの知識
ステロイド療法の副作用
山本 翔太郎
1
,
佐藤 浩二郎
1
Shotaro Yamamoto
1
,
Kojiro Sato
1
1自治医科大学内科学講座アレルギー膠原病学部門
キーワード:
ステロイド薬
,
副腎抑制
,
感染症
,
ステロイド糖尿病
Keyword:
ステロイド薬
,
副腎抑制
,
感染症
,
ステロイド糖尿病
pp.358-360
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000514
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はじめに
プレドニゾロン(PSL)等の副腎皮質ステロイド(以下,ステロイド)は,強力な抗炎症作用や免疫抑制作用があり,自己免疫性疾患を始め多くの病態に投与される。しかし,医療者は種々の副作用に注意を払う必要がある。PSL換算で0.6mg/kg/日以上の高用量のステロイドを投与された患者では投与直後から高血糖を生じることがある。PSL換算で0.3~0.6mg/kg/日の中等量を投与された患者では数日の内に高血圧,高血糖,精神障害,浮腫,1カ月程度でニューモシスチス肺炎や細菌感染症や骨粗鬆症,緑内障を発症することがある。長期投与の場合にはPSL換算で0.3mg/kg/日以下の少量投与であっても,高血糖や骨粗鬆症,感染症のリスク上昇,副腎抑制,白内障等に注意を払う必要がある1)。吸入薬や点鼻薬,皮膚外用薬などの局所投与でも体内へ吸収され,全身投与と同じように副腎抑制を生じることもある2)。本稿では,投与経路の違いも含め副作用について述べる。
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