臨床皮膚科 65巻7号 (2011年6月)

連載 Clinical Exercise・46

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症例

患 者:4歳,女児

既往歴・家族歴:特記すべきことなし.

現病歴:生下時より左背部に多毛を伴う淡褐色斑があり,成長とともに増大したため,当科を受診した.

現 症:左肩甲下部の6.5×4.5cmの範囲に扁平隆起した多毛を伴うほぼ楕円形の褐色斑があり(図1),同部皮膚は周囲に比べて軽度の浸潤を触れた.

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要約 5%イミキモドクリーム(ベセルナクリーム®)は,本邦初の尖圭コンジローマ治療薬であり,局所の細胞性免疫を変調させる薬剤である.治療抵抗性の汎発型円形脱毛症患者に5%イミキモドクリームを4か月間連日外用したところ明らかな発毛を認めたという海外報告があることから,全頭型2例,汎発型2例に対して5%イミキモドクリーム4か月間連日塗布を試行した.結果として1例に部分的な軟毛の発毛を認めたのみで,4例とも外観を改善するような発毛はなかった.一方で,軽度の外用部の刺激感,色素沈着のほかに明らかな副作用はなかった.5%イミキモドクリームは重症型円形脱毛症の新しい治療薬としては効果的とはいえない.しかし,発症早期例やアトピー性皮膚炎合併例に対する連日塗布については,今後施行してみる価値があると考えた.

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要約 40歳,男性.1997年と2002年,メフェナム酸内服後に,一部に色素沈着病変を伴う多発性非色素沈着型固定薬疹を発症した既往がある.2008年6月,感冒症状に対し誤ってメフェナム酸カプセルを内服したところ,前回の固定薬疹出現部位である手掌,手関節に色素沈着型固定薬疹が出現し,両腋窩,大腿内側に非色素沈着型固定薬疹を認めた.メフェナム酸のパッチテストを,非色素沈着部と色素沈着部で行ったが,後者でのみ陽性であった.メフェナム酸の内服を中止し間擦部の潮紅は色素沈着を残さず消退した.しかし退院16日目に,運動,飲酒後に原因薬の内服なく,前回と同一部位に紅斑が再燃し,当科再入院した.固定薬疹は,薬剤以外のさまざまな誘因(感染症,食事,運動,日光曝露,飲酒など)により誘発されると考えられた.

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要約 30歳,女性.大動脈炎症候群による大動脈弁閉鎖不全に対して大動脈弁置換術を受けた.術後に生じた肥厚性瘢痕の治療について皮膚科を受診した.臨床的に両側頸部と両腋窩に黄白色丘疹を認め,病理組織像で真皮中層に弾性線維の変性と石灰沈着を認めたことから,弾性線維性仮性黄色腫(pseudoxanthoma elasticum:PXE)の診断に至った.当初,弁膜症もPXEによるものと考えたが,臨床経過と炎症所見から大動脈炎症候群の合併による心血管障害の重症化を考えた.過去に両疾患の合併例は報告されていないが,共通してみられる所見が多いことから,大動脈炎症候群と診断されている症例のなかにPXEが紛れている可能性がある.大動脈炎症候群ではPXEの皮疹の有無を観察すべきと考えた.

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要約 49歳,男性.初診の1年前より手背に水疱が出現・消退を繰り返し,その後全身に拡大した.初診時,軀幹,前腕に軽度掻痒を伴う緊満性水疱と浮腫性紅斑,血疱が散在していた.経過中,左膝に辺縁に小水疱が環状に配列する紅斑が出現した.明らかな消化器症状は認めなかった.皮膚病理組織像で表皮下水疱を認め,水疱周辺部の真皮乳頭層には好中球と好酸球が密に浸潤し微小膿瘍を形成していた.水疱近傍正常皮膚の蛍光抗体直接法にて真皮乳頭部においてIgAが細線維状に沈着していた.以上よりDuhring疱疹状皮膚炎と診断した.ジアフェニルスルホン50mg/日の内服が著効し,以後再燃はない.サル食道平滑筋を用いた蛍光抗体間接法,抗組織トランスグルタミナーゼIgA抗体および抗表皮トランスグルタミナーゼIgA抗体は陰性であった.トランスグルタミナーゼ抗体は,欧米症例との比較において重要な要素である可能性があり,今後の症例の蓄積が必要と考えた.

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要約 46歳,女性.2005年に発熱,複視,記銘力低下,失行,失算が出現し,頭部MRIで左側頭葉にT2高信号域を認めたが,経過観察のみで症状軽快した.2006年に発熱,咽頭痛,関節痛,複視とともに顔面,手指,両下腿に有痛性の浸潤性紅斑が出現した.病理組織で真皮上層から中層にびまん性に好中球浸潤を認め,Sweet病と診断した.HLA-B54陽性であった.その後,経過観察中に一過性の複視が出現した.2007年11月下旬より,感冒症状を契機に抗生剤投与により軽快しない発熱,頭痛,口腔内アフタ,両膝に有痛性の紅斑が出現した.入院後に全身性痙攣がみられ,髄液検査で細胞数の増加,頭部MRIで中脳背側にFLAIR高信号域を認めた.ステロイド1mg/kg/日の全身投与により皮膚および神経症状は軽快した.以上より診断基準を満たし,神経Sweet病と判断した.その後,HLA-Cw1陽性であることが判明した.

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要約 61歳,女性.2001年当院初診時,両下腿伸側の静脈に沿って,母指頭大までの毛細血管拡張を伴った褐色斑を複数個認めたが,皮膚生検にて診断が確定しなかった.8年後,2009年再受診時,両下腿伸側に静脈に沿って分枝状に配列し,中心部瘢痕性で黄色調を呈し深部に板状硬結を触れる紅褐色局面がみられ,一部では潰瘍を形成した.超音波検査にて,局面に一致して,大伏在静脈血栓の所見が得られた.病理組織学的に真皮浅層~皮下組織の広範囲に膠原線維の類壊死を取り囲み,組織球,類上皮細胞,リンパ球,巨細胞が浸潤する柵状肉芽腫の像を認め,リポイド類壊死と診断した.糖尿病の既往はなかった.両下腿に静脈瘤がみられ,皮疹が拡張した静脈直上に配列し,静脈還流障害が本症の発症に関連した可能性を考えた.

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要約 50歳,女性.37歳時に全身性強皮症と診断され,45歳時ANCA関連腎炎を合併し加療開始した.2009年5月より軀幹,四肢に膿疱を伴う紅斑が出現した.ジルチアゼム塩酸塩による急性汎発性発疹性膿疱症と考えプレドニゾロン(PSL)40mgに増量し改善したが,12.5mgまで減量したところで再燃した.臨床経過および病理組織学的所見より汎発性膿疱性乾癬と最終診断した.PSL 20mgとシクロスポリンも併用したが,皮疹の拡大は止まらず,ステロイドパルス療法にて皮疹は消退した.その後,慢性腎不全の急性増悪,消化管穿孔も合併し,敗血症のため永眠された.膠原病および類縁疾患と膿疱性乾癬との合併は稀ではあるが,偶然以上の頻度ともされている.

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要約 28歳,女性.中学生時に尋常性乾癬の既往があり,23歳時より体幹,頭部の内側に襟飾り様の落屑を伴う環状紅斑を認めた.発熱などの全身症状は認めず,組織学的に尋常性乾癬の所見であり,再発性環状紅斑様乾癬と診断した.ステロイド外用,活性化ビタミンD3製剤外用,PUVA療法を含めた従来の治療に抵抗性であり,皮疹は消退,再生を繰り返していた.患者が28歳時に尋常性乾癬に対してインフリキシマブ(レミケード®)が保険適応となり,皮疹による患者のQOL低下も著しいことから同治療を導入した.インフリキシマブの初回投与1週間後より皮疹は新生せず,3回目投与後に皮疹はほぼ消失した.再発性環状紅斑様乾癬において,インフリキシマブは非常に効果的であると考えられた.

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要約 57歳,男性.2008年12月から2009年3月まで,関節リウマチに対しアダリムマブ(ヒュミラ®)を2週間ごとに計8回投与した.2009年4月より頭部,軀幹,四肢に鱗屑を伴う紅斑が出現し当科を受診した.病理組織学的には角層肥厚および不全角化,表皮突起の延長,真皮乳頭の上方への延長,乳頭の浮腫と炎症細胞浸潤,Munro微小膿瘍を認めた.アダリムマブ投与を中止しステロイド内服および外用にて一時改善傾向を示した.その後皮疹が再燃したが,シクロスポリン内服にて軽快した.後日施行したアダリムマブのリンパ球幼若化試験はstimulation index 607%と陽性であり,乾癬型薬疹か,乾癬の発症か疑問が残った.また,アダリムマブは乾癬の治療薬として注目の高い生物学的製剤の1つであり,逆説的ともいえるこの副作用について検討した.

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要約 23歳,男性.数年前より右足底に皮下結節が出現し,徐々に増大し歩行困難となった.初診時,右足底に一部自潰し感染徴候を伴う7×5cm大の腫瘤を認めた.162cm,101kg(BMI 38.5)と肥満であった.白色内容物のアルコール固定による病理組織所見では針状結晶を認め,痛風結節と診断した.抗生剤投与,局所処置にて感染は軽快し,尿酸値10.0mg/dlのためアロプリノール内服を開始したが,改善なく歩行困難が続いたため腰椎麻酔下で切除術を施行した.術後,食事療法・アロプリノール内服にて尿酸値は正常化し再発を認めていない.近年の報告では高尿酸血症増加の原因の1つとして肥満が挙げられている.本症例は高尿酸血症のハイリスク例であり,また高尿酸血症の長期無治療・放置期間があったと推察される.その結果痛風結節の若年発症・巨大化をきたしたと推測された.

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要約 43歳,男性.2004年より高血圧症,翌年慢性増殖性糸球体腎炎と診断され,ステロイド剤を投与されるも腎不全は進行し,2009年9月に血液透析導入目的に入院した.ベッド柵で両大腿を打撲し,同部に難治性潰瘍が出現し,10月当科を受診した.右大腿に浸潤のある紫褐色局面があり,中央に1.5×3cm大の黒色壊死が付着した潰瘍を認めた.左大腿および上背にも中央白色調を呈する紫紅色局面があった.いずれも圧痛,自発痛があった.背部皮膚生検で真皮下層の血管中膜を中心に輪状の石灰沈着,内腔閉塞を認め,calciphylaxisと診断した.血清Ca,Pの補正を行うも,診断約1か月後に虚血性腸炎様症状を呈し死亡した.Calciphylaxisは,慢性腎不全,特に透析患者の合併症として知られ,急速に全身状態の悪化を招く予後不良な疾患で,透析患者における有痛性皮膚潰瘍をみた場合,早期に診断し,その誘因除去に努めるべきである.

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要約 39歳,女性.1妊1産の産後7日目,授乳中の経産婦.28歳時より両腋窩にしこりを自覚していた.出産後に急激に増大し疼痛を伴うようになった.同部位の皮膚生検施行中に乳白色液体の漏出があり,病理組織学的に授乳期相当の乳腺組織を認めた.乳腺上皮細胞はhuman milk fat globule 1染色陽性であり副乳と診断した.乳腺組織はエストロゲン,プロゲステロン,プロラクチンの影響を受けるため,女性では思春期,妊娠時,産褥期に正常乳腺組織と同様の変化を生じ,それを契機に発見される場合が多い.自験例も妊娠,産褥に伴うエストロゲン,プロゲステロン,プロラクチンの増加が契機になったと考えた.

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要約 41歳,女性.数年前に左上腕の自覚症状を伴わない皮下結節に気づいた.徐々に増大し,初診時には径12×13mm大の表面常色,骨様硬,軽度圧痛を伴う皮下結節であった.組織像では真皮深層から皮下脂肪識に境界明瞭な類円形の腫瘍塊を認め,腫瘍内には石灰化をきたした移行細胞と陰影細胞,骨細胞を含んだ骨基質が混在してみられた.最近5年間の当科における石灰化上皮腫33例を組織学的に検討したところ,骨化を認めた3例ではいずれも好塩基細胞はなく,陰影細胞の10%以上に石灰沈着を認めた.また,カルシウム沈着は好塩基性細胞に比して陰影細胞の割合が多い例に強くみられた.したがって経時的な陰影細胞の増加に伴い,カルシウムが沈着し骨化が生じると推測した.

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要約 74歳,男性.約9か月前より左大腿に特に誘因なく自覚症状を伴わない黒色皮疹が出現した.4か月前より急激に増大した.初診時,左大腿前側に8×4×2cm,弾性軟,暗紫色調の有茎性皮膚腫瘍を認めた.組織では典型的な皮膚線維腫の所見に加え,腫瘍内に毛細血管の拡張および増生,血液を容れる間隙を伴い,豊富なヘモジデリン沈着がみられた.また間隙辺縁には血管内皮細胞を認めなかった.腫瘍細胞に明らかな異型性はなく,aneurysmal fibrous histiocytoma(AFH)と診断した.自験例は本邦報告例で最大の大きさであったが,AFHは細胞成分の多い部分では結合織が疎であるため脆弱であるという性質から裂隙ができやすいこと,さらに血管成分が豊富で腫瘍が栄養されやすいため急激に増大し,有茎性になりやすいものと予想された.

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要約 85歳,女性.初診の5年前より肛囲の腫瘤を自覚していた.初診時,肛門9時方向に長径20mmの中央に潰瘍を伴う扁平隆起性局面を認めた.病理組織学的には,真皮内に好塩基性で最外層に柵状配列を伴う大小の不整な胞巣を認め,周囲間質との間に列隙を形成していたため,基底細胞癌と診断した.68歳,女性.初診の4か月前より肛囲の腫瘤を自覚していた.初診時,肛門9時方向に18×11mmの有茎性隆起性腫瘤を認めた.病理組織学的には,1例目と同様の所見を認め,基底細胞癌と診断した.2例とも局麻下に切除術を施行し,現在まで再発を認めていない.基底細胞癌は大部分が露出部位に発生する.部位別頻度も顔面が最多で,続いて軀幹,頭部,下肢の順に多く,肛門・鼠径部を含む外陰部は1.9%に過ぎないと報告されており,肛囲の発生は極めてまれである.

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要約 49歳,男性.2008年11月鼻閉を主訴に当院耳鼻科を受診し,鼻腔の生検にてNK/T細胞リンパ腫と診断された.2009年3月から当院血液内科にて化学療法と放射線療法を施行後,再発を認めていなかった.同年5月から両下腿に浸潤性紅斑が出現し,7月より熱感を伴うようになったため近医を受診し,NK/T細胞リンパ腫の皮膚浸潤の疑いにて当科を紹介受診した.皮膚生検組織像では,真皮全層の血管および付属器周囲に結節状の細胞浸潤があり,皮下脂肪織内にも腫瘍細胞が浸潤し,小葉性脂肪織炎様組織像を呈していた.免疫組織染色では,CD56(+),グランザイムB(+),EBER(+)であったため,NK/T細胞リンパ腫の皮膚浸潤と診断した.化学療法にて寛解導入した後に,末梢血幹細胞移植を施行したが,移植後71日目に再発が確認され現在も治療中である.

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欧文目次

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会  期 2011年11月6日(日) 10:00~16:00

会  場 クラシエ薬品株式会社 中日本支店 8F

     〠460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内1-15-20 ie丸の内ビルディング

     Tel 052-201-1034

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 BAFF(B-cell activating factor)はTNFサイトカインファミリーサイトカインの1つで,B細胞の生存,分化,恒常性の維持に重要な役割を果たす.BAFF過剰発現マウスでは,自己反応性B細胞が生き残り,自己免疫性疾患が誘導されることが知られている.全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)およびSjögren症候群の患者において,血清BAFF濃度の上昇が報告されている.現在,SLEに対する抗BAFFモノクローナル抗体療法の治験が行われており,効果がみられている.しかし,BAFFがpolyclonalな免疫系の中でどのように自己免疫疾患を誘導するのか,そのメカニズムは明らかでなかった.本論文では,特定の免疫グロブリン(Ig)L鎖を発現したときに自己DNAを認識するB細胞を有する,3H9部位IgH鎖遺伝子導入マウス(3H9マウス)を用いて,BAFFレベルの増減による影響を解析した.3H9マウスにおいてBAFFを過剰発現させたBAFF/3H9マウスでは,B細胞数が増加し,抗dsDNA抗体が血清中に多量に検出された.一方,BAFFの生理活性を抑制するΔBAFFを過剰発現させ,BAFF活性を低下させたΔBAFF/3H9マウスでは,B細胞数は低下しているが,免疫不応答状態にあると考えられるB細胞の割合が増加していた.血清中に自己抗体を検出しないΔBAFF/3H9マウスにおいても,自己反応性B細胞は検出されたが,それらの多くは特定のVκ鎖を有する免疫不応答状態にあるB細胞と考えられた.すなわち,BAFFはB細胞を増加させるだけでなく,免疫寛容の破綻と本来は成熟が抑制される自己反応性B細胞のpositive selectionをきたすことで自己免疫疾患を誘発することが示唆された.

次号予告

投稿規定

あとがき 瀧川 雅浩
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 日々進化するITですが,私のようなアナログ人間には全く無縁と言ってもいいものです.携帯電話は電話機能を使いこなすのが精一杯,iPad,iPhone,ん~それなに? という有様です.とはいえ,周囲をITで張り巡らされている以上,これと対峙(?)しないわけにはいきません.あふれかえるIとTがあれば,さまざまな予知ができるのでしょうか.たとえば,地震調査研究推進本部は,今後30年以内に震度6弱の地震が起こる確率が高い地域として静岡県,紀伊半島,四国南部などを挙げています.いわゆる東南海地震が起きるとされている場所です.おそらくさまざまなITを利用した結果なんでしょう.でも,素朴な疑問として,今回の東日本大震災の予知ができずに,どうして東南海地震が予知できるのだろうか? 4月14日発行の「Nature」では,東京大学のRobert Geller教授が,「過去30年間,日本で大きな被害を出した地震は,政府の予測とは違った場所で起きている.いつ,どこでどの程度の規模の地震が起きるかなど予測できるはずがない」と指摘しています.私の知り合いで地震研究をしている大学院院生も,かつて,きっぱりと「地震の発生の予知はできません」と言ったのを思い出します.Yale大学に留学していた頃(1977~1979年),主任教授のWaksman先生がよく言っていたことの1つに,「将来のジャーナルの形態として,論文はreviwerなしで,誰でもが投稿できる,そして投稿論文の良し悪しの判断は読者が決める」がありました.電子ジャーナルのPLoSシリーズはそれに近いのでしょうか? また,suppressor T cell factorはおそらくTGF-βだろう,とも言っていました.このようなエピソードはコンピューターならぬ勘ピューターでこれまで蓄積した知識を解析した結果なんでしょうが,今から振り返ってみると,ある意味正鵠を得ているわけです.ITを駆使しなくても,予知はできる? ですから,あふれかえるIとTを適切に使うことが,IT時代を生き延びるTなんでしょう.

著作財産権譲渡同意書

基本情報

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臨床皮膚科
65巻7号 (2011年6月)
電子版ISSN:1882-1324 印刷版ISSN:0021-4973 医学書院

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