Japanese
English
症例報告
血中自己抗体の検索を行ったDuhring疱疹状皮膚炎の1例
A case of dermatitis herpetiformis Duhring with analysis of autoantibodies
安岡 美聡
1,2
,
大内 健嗣
1,3
,
馬場 あゆみ
1
,
栗原 佑一
1,2
,
大山 学
1
,
木村 佳史
3
,
天谷 雅行
1
,
石河 晃
1,4
Misato YASUOKA
1,2
,
Takeshi OUCHI
1,3
,
Ayumi BABA
1
,
Yuichi KURIHARA
1,2
,
Manabu OHYAMA
1
,
Yoshifumi KIMURA
3
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Akira ISHIKO
1,4
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2川崎市立川崎病院皮膚科
3北里大学北里研究所病院皮膚科
4東邦大学医学部皮膚科学第一講座
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,Kawasaki Municipal Kawasaki Hospital,Kawasaki,Japan
3Department of Dermatology,Kitasato Institute Hospital,Tokyo,Japan
4The First Department of Dermatology School of Medicine,Faculty of Medicine Toho University,Tokyo,Japan
キーワード:
自己免疫性水疱症
,
Duhring疱疹状皮膚炎
,
グルテン過敏性腸炎
,
抗組織トランスグルタミナーゼIgA抗体
,
抗表皮トランスグルタミナーゼIgA抗体
Keyword:
自己免疫性水疱症
,
Duhring疱疹状皮膚炎
,
グルテン過敏性腸炎
,
抗組織トランスグルタミナーゼIgA抗体
,
抗表皮トランスグルタミナーゼIgA抗体
pp.487-491
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102968
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要約 49歳,男性.初診の1年前より手背に水疱が出現・消退を繰り返し,その後全身に拡大した.初診時,軀幹,前腕に軽度掻痒を伴う緊満性水疱と浮腫性紅斑,血疱が散在していた.経過中,左膝に辺縁に小水疱が環状に配列する紅斑が出現した.明らかな消化器症状は認めなかった.皮膚病理組織像で表皮下水疱を認め,水疱周辺部の真皮乳頭層には好中球と好酸球が密に浸潤し微小膿瘍を形成していた.水疱近傍正常皮膚の蛍光抗体直接法にて真皮乳頭部においてIgAが細線維状に沈着していた.以上よりDuhring疱疹状皮膚炎と診断した.ジアフェニルスルホン50mg/日の内服が著効し,以後再燃はない.サル食道平滑筋を用いた蛍光抗体間接法,抗組織トランスグルタミナーゼIgA抗体および抗表皮トランスグルタミナーゼIgA抗体は陰性であった.トランスグルタミナーゼ抗体は,欧米症例との比較において重要な要素である可能性があり,今後の症例の蓄積が必要と考えた.
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