Japanese
English
症例報告
肛囲に発生した基底細胞癌の2例
Two cases of perianal basal cell carcinoma
永松 麻紀
1
,
東 祥子
1
,
池田 彩
1
,
小澤 健太郎
1
,
田所 丈嗣
1
Maki NAGAMATSU
1
,
Sachiko HIGASHI
1
,
Aya IKEDA
1
,
Kentaro OZAWA
1
,
Taketsugu TADOKORO
1
1国立病院機構大阪医療センター皮膚科
1Department of Dermatology,National Hospital Organization Osaka National Hospital,Osaka,Japan
キーワード:
肛囲
,
基底細胞癌
Keyword:
肛囲
,
基底細胞癌
pp.535-538
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102979
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要約 85歳,女性.初診の5年前より肛囲の腫瘤を自覚していた.初診時,肛門9時方向に長径20mmの中央に潰瘍を伴う扁平隆起性局面を認めた.病理組織学的には,真皮内に好塩基性で最外層に柵状配列を伴う大小の不整な胞巣を認め,周囲間質との間に列隙を形成していたため,基底細胞癌と診断した.68歳,女性.初診の4か月前より肛囲の腫瘤を自覚していた.初診時,肛門9時方向に18×11mmの有茎性隆起性腫瘤を認めた.病理組織学的には,1例目と同様の所見を認め,基底細胞癌と診断した.2例とも局麻下に切除術を施行し,現在まで再発を認めていない.基底細胞癌は大部分が露出部位に発生する.部位別頻度も顔面が最多で,続いて軀幹,頭部,下肢の順に多く,肛門・鼠径部を含む外陰部は1.9%に過ぎないと報告されており,肛囲の発生は極めてまれである.
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