Japanese
English
症例報告
静脈に沿って分枝状を呈したリポイド類壊死の1例
A case of necrobiosis lipoidica associated with venous insufficiency of both legs
大野 美咲
1
,
佐藤 良博
1
,
寺木 祐一
1
,
伊崎 誠一
1
Misaki ONO
1
,
Yoshihiro SATO
1
,
Yuichi TERAKI
1
,
Seiichi IZAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology,Saitama Medical University,Saitama Medical Center,Kawagoe,Japan
キーワード:
リポイド類壊死
,
静脈還流障害
Keyword:
リポイド類壊死
,
静脈還流障害
pp.497-500
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102970
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要約 61歳,女性.2001年当院初診時,両下腿伸側の静脈に沿って,母指頭大までの毛細血管拡張を伴った褐色斑を複数個認めたが,皮膚生検にて診断が確定しなかった.8年後,2009年再受診時,両下腿伸側に静脈に沿って分枝状に配列し,中心部瘢痕性で黄色調を呈し深部に板状硬結を触れる紅褐色局面がみられ,一部では潰瘍を形成した.超音波検査にて,局面に一致して,大伏在静脈血栓の所見が得られた.病理組織学的に真皮浅層~皮下組織の広範囲に膠原線維の類壊死を取り囲み,組織球,類上皮細胞,リンパ球,巨細胞が浸潤する柵状肉芽腫の像を認め,リポイド類壊死と診断した.糖尿病の既往はなかった.両下腿に静脈瘤がみられ,皮疹が拡張した静脈直上に配列し,静脈還流障害が本症の発症に関連した可能性を考えた.
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