Japanese
English
症例報告
透析導入直後外傷を契機に発症したcalciphylaxisの1例
A case of calciphylaxis triggered by a traumatic injury in the early stages of hemodialysis
安田 文世
1
,
塩田 剛章
1
,
森 布衣子
1
,
神田 武志
2
,
荻原 通
2
,
木花 いづみ
1
Fumiyo YASUDA
1
,
Takeaki SHIODA
1
,
Nuiko MORI
1
,
Takeshi KANDA
2
,
Toru OGIHARA
2
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
2平塚市民病院内科
1Division of Dermatology,Hiratsuka City Hospital,Hiratsuka,Japan
2Division of Internal Medicine,Hiratsuka City Hospital,Hiratsuka,Japan
キーワード:
calciphylaxis
,
慢性腎不全
,
血液透析
,
皮膚潰瘍
Keyword:
calciphylaxis
,
慢性腎不全
,
血液透析
,
皮膚潰瘍
pp.518-522
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102975
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要約 43歳,男性.2004年より高血圧症,翌年慢性増殖性糸球体腎炎と診断され,ステロイド剤を投与されるも腎不全は進行し,2009年9月に血液透析導入目的に入院した.ベッド柵で両大腿を打撲し,同部に難治性潰瘍が出現し,10月当科を受診した.右大腿に浸潤のある紫褐色局面があり,中央に1.5×3cm大の黒色壊死が付着した潰瘍を認めた.左大腿および上背にも中央白色調を呈する紫紅色局面があった.いずれも圧痛,自発痛があった.背部皮膚生検で真皮下層の血管中膜を中心に輪状の石灰沈着,内腔閉塞を認め,calciphylaxisと診断した.血清Ca,Pの補正を行うも,診断約1か月後に虚血性腸炎様症状を呈し死亡した.Calciphylaxisは,慢性腎不全,特に透析患者の合併症として知られ,急速に全身状態の悪化を招く予後不良な疾患で,透析患者における有痛性皮膚潰瘍をみた場合,早期に診断し,その誘因除去に努めるべきである.
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