特集 ここまで来た! 新生児マススクリーニングと対象疾患の治療
新しい対象疾患―再検査,精密検査,そして治療
ライソゾーム病とペルオキシソーム病
澤田 貴彰
1
,
中村 公俊
2
SAWADA Takaaki
1
,
NAKAMURA Kimitoshi
2
1熊本大学病院遺伝診療センター
2熊本大学病院大学院生命科学研究部小児科学講座
pp.1815-1819
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002168
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はじめに
酵素補充療法(enzyme replacement therapy:ERT)をはじめとした新たな治療法の開発や造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation:HSCT)技術の向上により,一部のライソゾーム病やペルオキシソーム病の治療が可能となったが,その治療効果を十分に得るためには,不可逆的な臓器障害が出現する前に治療を行う必要があり,早期診断が求められる。しかし,ライソゾーム病やペルオキシソーム病の症状や所見は同一疾患内であっても多岐にわたり,発症年齢やその重症度も大きな幅があるため,早期診断が難しい。そのような疾患の早期診断方法としてスクリーニング検査に対する期待が高まっている。
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