Japanese
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特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
ペルオキシソーム増殖薬
Peroxisome proliferators
渡辺 隆史
1
,
須賀 哲弥
1
Takafumi Watanabe
1
,
Tetsuya Suga
1
1東京薬科大学臨床生化学教室
pp.201-203
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900193
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1965年,Hessらは代表的な脂質低下薬,クロフィブレートがラット肝ペルオキシソームを著しく増殖させ,しかもカタラーゼ活性を上昇させると報告した1)。以来,薬物によるペルオキシソーム増殖に関する多くの研究が脂質低下薬を中心として行われ,クロフィブレートと構造的にはまったく無関係の薬物によってもペルオキシソームの増殖や酵素誘導が起こることが明らかにされている。また,ペルオキシソーム増殖薬を長期間投与すると肝癌が発生するというReddyら2)の報告がきっかけとなり,ペルオキシソーム増殖と酵素誘導は毒性学的にも注目を集めている。本章では,ペルオキシソームの増殖や酵素誘導を引き起こす薬物につき,その特徴,誘導の機序,毒性学的意義について概説する。なお,これらに関してすでに多くの著書や総説が出ているので,詳細についてはそれらを参照されたい3-7)。
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