発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013153153
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60歳代男。外傷後てんかんの重積発作にて入院し、誤嚥性肺炎を繰り返したため多種の抗生剤が使用された。その後、偽膜性腸炎を発症し、VCMとメトロニダゾール(MTNZ)にて軽快し退院したが、2日後に発熱、嘔吐、腹痛、下痢が出現し、救急搬送された。炎症反応が高値で腎機能障害を認め、便中CD(Clostridium difficileトキシンA/B)は陽性であった。腹部X線では、腸管拡張と小腸拡張を認め、腹部造影CTでは全結腸壁、S状結腸に著明な浮腫性壁肥厚を認め、下部内視鏡にて全周性に黄白色の偽膜形成が認められた。以上より、偽膜性腸炎と診断し、VCMの経口投与を開始したが、炎症反応の高値は持続し乏尿に至った。胸水貯留および巨大結腸症を認められ、全身性反応症候群を呈した経過から、敗血症性ショックをきたしたと判断し、PMX-DHPを施行した。また、乏尿、うっ血性心不全に対し、除水および炎症性サイトカイン除去目的に持続的血液濾過透析(CHDF)を併用したところ、5日後に循環動態は改善した。
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