発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013159088
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症例1(47歳女性)。保存期慢性腎不全にて近医で加療中であったが、急激な腹痛が出現し、大腸閉塞イレウスの診断で発症10時間後に救急搬送となった。症例2(78歳女性)。急激な腹痛を主訴に近医を受診、消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎と診断され、発症5時間後に救急搬送となった。両症例とも来院時ショック症状を呈し、腹部単純CTでは拡張した上行結腸の右側に壁肥厚を伴う小腸を認め、緊急手術を行なったところ、急性劇症型盲腸軸捻転と診断された。治療として症例1は結腸右半切除術ほか、横行結腸-回腸吻合部から口側30cmの部位で回腸人工肛門を造設し、症例2は回盲部切除および上行結腸-回腸吻合を行ない、いずれも術後はICUでエンドトキシン吸着療法、持続的血液透析を導入した。その結果、DICの合併が認められたものの、症例1は改善、術後62日目に軽快退院となった。一方、症例2は呼吸状態が急速に悪化し、ステロイドパルス療法を併用するも効果がなく、術後19日目に死亡となった。
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