発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011292664
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31歳女。腹痛で受診し加療を受け、翌日ショック状態となり救急搬送された。腹部CTで膵腫大、両腎周囲まで及ぶ腹水、腸管浮腫を認め、検査所見と併せて重症急性膵炎、播種性血管内血液凝固、急性腎不全、敗血症と診断した。エンドトキシン吸着療法、continuous hemodiafiltration(CHDF)療法を行い、急性肺障害の併発に対し気管内挿管して人工呼吸管理を行った。入院7日目に呼吸・循環は改善してCHDF・人工呼吸器より離脱し、18日目より食事を開始したが、腹痛が再燃し、下血も生じた。大腸内視鏡で直腸上部より潰瘍瘢痕を認め、肛門縁より12cmからは高度狭窄を伴っていた。注腸透視では上行結腸~S状結腸の広範囲に狭窄を認めた。虚血性大腸炎の診断で絶食・中心静脈栄養としたが、注腸検査の再検で狭窄進行を認め、入院54日目に腹腔鏡補助下結腸亜全摘を施行した。下腹部恥骨上正中4cmの小開腹より上行結腸~S状結腸の広範囲切除を行い、盲腸と直腸S状部を機能的端々吻合した。術後経過良好で16日目に退院し、下痢や頻便は認めていない。
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