発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015209953
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症例は66歳男性で、50歳頃より慢性腎臓病、高血圧症、メタボリック症候群を指摘され、二次性副甲状腺機能亢進症と尿毒症に対し炭酸カルシウム、球形吸着炭を開始した。慢性の便秘があり、腎機能低下で血液透析導入となったが、第4病日より腹部膨満感増強、腹痛が生じた。画像所見で横隔膜挙上、S状結腸から口側の腸管拡張を認め、血圧および動脈血酸素飽和度低下より大腸イレウス、ショックと判断した。腹部は膨隆し続け、膀胱内圧は21mmHgと上昇し、腹部コンパートメント症候群と診断した。下部消化管内視鏡でS状結腸内は球形吸着炭を混じた便塊で満たされ、腸管粘膜は虚血状態にあった。経肛門的に結腸閉鎖を解除できず、緊急開腹術を施行した。開腹直後より呼吸不全は改善し、血圧上昇、自尿流出を認めた。小腸部分切除の後、敗血症合併に対する持続的血液濾過透析と直接血液灌流法を行い、腎機能は改善して第62病日に退院した。
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