発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367340
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
74歳女。前医で検診目的にバリウムによる上部消化管造影検査を受け、翌日より下腹部痛が出現・増悪した。X線で下行結腸~末梢側腸管内にバリウムを、更に骨盤内を中心に腸管外へ漏出したバリウムを認めた。更に、CTでもfree airとともに骨盤内を中心に腸管外に漏出したバリウムを認めた。上部消化管造影後に生じたS状結腸穿孔によるバリウム腹膜炎と診断し、緊急手術を施行した。下腹部正中切開で開腹すると、大量にバリウムを混じた糞塊を認めた。S状結腸に3cm大の穿孔部を認め、肛門側結腸にバリウム硬便が充満していた。バリウム塊による穿孔と判断し、Hartmann手術を行い、生理食塩水で腹腔内を洗浄し、漏出したバリウムを除去した。術直後より敗血症性ショックの状態に陥り、ICUで人工呼吸管理、カテコラミン投与、直接血液灌流法を行い徐々に改善した。その後、人工肛門周囲に膿瘍形成を認めたためドレナージを行い、徐々に軽快し、リハビリテーションを経て第114病日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014