発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016119601
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91歳女。既往歴に慢性腎不全、高カリウム血症、心房細動があり、calcium polystyrene sulfonate、酸化マグネシウム等を内服中であった。今回、激しい腹痛が出現し、腹部単純CT所見よりS状結腸穿孔、汎発性腹膜炎と診断した。血圧低下が進行し、敗血症性ショックを呈していると考えられたため、緊急手術を行った。開腹所見でS状結腸に約1cmの穿孔を認め、周辺には腸管外へ出た硬便が存在していた。腹腔内を洗浄後、穿孔部分を含めたS状結腸を約10cm切除し、口側の断端で人工肛門を形成した。病理組織学的所見からはcalcium polystyrene sulfonateによるS状結腸穿孔が示唆された。術後に敗血症性ショック、呼吸不全の状態となり人工呼吸器管理を含めた全身管理を要したが、術後8日目に抜管し、以後問題なく経過して術後43日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015