発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367341
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75歳男。意識障害を伴わない下肢脱力感、腹部膨隆が出現し、前医で腹部大動脈瘤(AAA)を発見され紹介となった。CTで腎動脈以下に最大径74mmのAAAを認め、後腹膜にも血腫を認めたが、造影効果はなかった。破裂性のAAAと診断し、適応外使用となるが、高齢・既往歴(出血性脳梗塞・高血圧)を検討し、緊急腹部ステントグラフト内挿術を施行することとした。全身麻酔で導入し、大腿動脈からシースを挿入しZenith Flex(COOK MEDICAL社)を留置した。最終造影ではリークを認めず終了した。手術時間は2時間8分、出血量は760mlであった。血行動態は安定しており、抜管後にICU収容した。第1病日のCTで後腹膜血腫の増大はなく、膀胱内圧は10mmHgで、翌日も増悪していなかったため飲水を開始した。その後腹部症状はなかったが、第10病日に狭心性発作を起こし循環器内科へ転科となった。
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