発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014042101
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は65歳女性で、検診での上部消化管造影検査後に排便がなく、4日後に腹痛の出現で近医にてX線で遊離ガス像、腸管外へのbarium漏出を認め紹介入院した。腹部全体が板状硬で下腹部に強い圧痛、筋性防御を認め、検査で白血球数低下と炎症反応を認めた。CTで腹腔内に遊離ガス、骨盤内にbarium混入の便塊、腸管外へのbarium漏出を認め、消化管穿孔によるbarium腹膜炎、敗血症性ショックの診断で緊急手術を行った。灰白色に混濁した腹水とbariumu混入便での腹腔内汚染、腸管壁と腸間膜表面にbarium付着を認め、S状結腸に2.0cm大の穿孔部を認めた。腹腔内洗浄とbarium除去後にHartmann手術を行った。病理所見ではS状結腸粘膜が嚢状に脱落し、その底部で穿孔しており、筋断裂像はなく憩室穿孔と診断した。敗血症性ショックは人工呼吸器管理、昇圧薬・抗菌薬投与、エンドトキシン吸着療法で回復した。術後45日目に退院し、術後12ヵ月目に人工肛門閉鎖術を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2013