発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016351585
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症例1(69歳男性)。腹痛を主訴に受診、精査の結果、S状結腸癌と診断後、手術が予定された。しかし、手術予定2日前に突然の腹痛と発熱を認め、CT所見より穿孔性腹膜炎と診断された。以後、緊急手術となった。手術所見では左側横行結腸に穿孔部分が確認されたため、裂けた漿膜はLembert sutureで修復し、穿孔部分に双孔式人工肛門の造設が行われた。その後、術後経過の良好をみて、術後28日目にS状結腸切除術、人工肛門閉鎖術が施行された。症例2(69歳女性)。腹痛を主訴に受診、CT所見より穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術となった。手術所見ではS状結腸に穿孔部を認めたほか、穿孔部対側にはS状結腸癌が確認された。そこで、穿孔部とS状結腸癌を切除し、Hartmann手術が行われたが、術後42日目に再手術を行ったところ、肛門側の残存S状結腸にもう1ヵ所のS状結腸癌が認められた。そのため人工肛門部分のマージンを含めたS状結腸切除術、前回切除部分のリンパ節郭清、人工肛門閉鎖術が施行された。尚、両症例とも病理組織学的にStage IIのS状結腸癌であり、半年間TS-1内服の補助化学療法を施行した。目下、それぞれ初回手術より約21ヵ月、約14ヵ月経過現在、再発や転移は認められていない。
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