発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367339
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳男。健診で便潜血陽性を指摘された。大腸内視鏡では横行結腸に腸管のほぼ全周を占める腫瘍を認め、生検で中分化腺癌と診断された。注腸造影では左側横行結腸に全周性の狭窄像を認め、右結腸曲に境界明瞭な類円形の陰影欠損があり、粘膜下腫瘍が疑われた。造影CTでは左側横行結腸に壁肥厚、結腸肝彎曲部に類円形の境界が比較的明瞭な腫瘤が疑われた。横行結腸癌および右結腸曲の粘膜下腫瘍と診断し、開腹下に横行結腸切除術、D3郭清を行い、端々吻合で再建した。切除標本では横行結腸に4.1×2.7cmの2型腫瘍を認め、上行結腸(右結腸曲)に2.5×2.5cmの球形で表面平滑な腫瘤を認めた。病理組織学的に2型腫瘍は中分化腺癌で深達度はss、IN INFb、int、ly1、v1、n(-)で、進行度はSS、N0、P0、M0、Stage IIであった。上行結腸の腫瘍はgastrointestinal stromal tumorの診断であった。術後腸閉塞を来たしたものの保存的治療で軽快し、術後25日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014