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編集後記
山本 伸一
pp.1120
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201870
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今月の特集は「介護保険からみた医療-介護連携の工夫:事例報告」である.医療-介護連携が必要であることは,誰もが知っている.しかしながら,リハ分野において,それがいまだに解決していない.要因としてはいくつかあるだろう.その一つとして,医療保険と介護保険の書類関係が異なることも多く,その整合性の問題も浮き彫りになった.平成30年度の診療報酬改定では,リハ総合実施計画書の様式について追加があり,これは日本作業療法士協会も作成に関与した.また,生活行為向上マネジメントのアセスメントシートも評価として認められ,着々と報告書等の書類関係は改善傾向にある.一方,「介護保険制度下におけるOTの絶対的不足」の問題があるだろう.急性期・回復期では,OT数は非常に多い.特に回復期リハ病棟では,創設された2000年(平成12年)以降に当該病棟の制度上での誘導もあって療法士は急増した.今となっては,非常にアンバランスと感じるのは私だけであろうか.
今回,そのOT数の少ない介護保険からみた医療-介護連携の工夫である.事例報告もされており,実にリアルだ.現場での試行錯誤が読み取れる.通所リハ事業所や訪問リハ事業所,訪問看護ステーション,さらには通所介護等での事例である.特に通所介護では,前回の改定で改正された生活機能向上連携加算の理解から実践まで報告されている.わずか4%しか算定されていない現状であるが,澤潟らは通所介護職員との連携を成功させている.現段階での工夫,現場でのやりくりが非常によく理解でき,読者のそれぞれの事業所等で活かされるであろう.
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