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リハビリテーションとは,対象者の生活再建に向けた自立支援である.介護予防・急性期・回復期・生活期・終末期,そして就学から就労まで,乳児から高齢者までを対象としなければならない.1965年(昭和40年)の理学療法士及び作業療法士法の制定から約50年近くなる.この間,医療が特化されたかのようにリハ専門職の配置は進んだ.特に回復期リハビリテーションに関しては,OT数が飛び抜けている.もちろん,回復期リハビリテーション病棟における現在の配置数において,まだまだ充足していないともいえよう.しかし,介護予防や生活期・終末期の作業療法が定着しているかは疑問である.
「その人らしさ」を支援する作業療法.その作業は多種多様だ.ADLやIADLはもちろんのこと,趣味や生きがい,就学・就労等がある.対象者のそれぞれに存在するTask.現在,その個別性に対応した作業療法が展開できているだろうか.特に,今回の特集「通所リハ再考」では,本来のリハ,作業療法を考えさせられる.土井氏は,結語で「OTが何を支援する職種なのか,何ができるのか,もうそろそろ明確な答えを出し,OTとして核となる支援のあり方をOT自らが提案し,つくり上げなければならない.(中略)そのことに誠実に向き合うことができるOTが必要なのである」と投げかけている.まったくその通りである.対象者の個別に応じた「作業」を提供すること.つまり,ひとりひとりの支援のあり方は異なる.医療から生活に移行するためのツールのひとつとして,通所リハがある.今こそ再考し,その作業療法支援を創り上げようではないか.その布石になる特集と感じた.「再考! 通所リハビリテーション! そして,通所作業療法!」
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